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裏切りの背徳者:第四話 奪取
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詠羅と結城隆臣さんのリレーシナリオ

前回
裏切りの背徳者:第一話 胎動
裏切りの背徳者:第二話 苦悩
裏切りの背徳者:第三話 始動

第四話:奪取


 著:詠羅

「ちくしょう!!」

ギルド元宮のラウンジ。
ここで大量の書類と格闘するジンは、苛立ちにより、テーブルを殴り付けた。
もう3時間も机に向かい、作業をしているのだか、該当するものがあまりにも多すぎて、絞り込めない。

「ジン……」

気持ちばかりが焦る。
しかし、こればかりはどうしようもなくて、ジンは机に突っ伏してしまった。

「何処に居るんだよ。カナ……」

謝りたいと思う。
しかし、四年前に消えたタイタニアは、未だに見つかってはおらず、
二度と見つからないのではと言う不安が、ずっとジンの中へ居座っていた。
リカルドは、顔を埋めたジンの背中を摩り、落ち着かせようとしてくれる。
いっそ全て、潰しにいきたい気分だ。
そんな事を考えていると、ジンのカバー付きの、タッチパネル式ナビゲーションデバイスが音楽を鳴らす、着信だ。
通信先はカロン。
出るべきかどうか迷ったが、保留になる直前に繋いだ。

「"ジンか"」
「カロンさん……どうかした――」
「"カナトを、早く助けてやってくれ……"」

ばっと、顔を上げた。
何故カナトがいない事をカロンが……!

「"カナトは、イースト方面を拠点にする、人攫い専門の連中に捕まってる"」
「……」
「"助けにいきたいと思ったが、カナトは一人じゃ逃げられない"」
「どうしてですか……」

返答に渋るカロン。
彼がカナトの現状を知るなら、聞かない訳には行かない。

「"タイタニアが、空を飛ぶ為に必要な羽、風切り羽を全部きられちまった"」

がしゃんと言う甲高い音が、響いた。
"ナビゲーションデバイス"を落とし、最悪の状況であると理解する。
応答を求めるカロンに答え、変わりにリカルドが通信にでた。
リカルドはカロンから、イースト方面の正確な位置を聞き、合流するよう手筈を整える。


「ジン。行こう」
「あぁ、ぶっ倒してやる……」

その瞳に、リカルドは不安を覚え、口を噤んだ。
何かが違うと心に感じ、二人で一度元宮をでる。

「わりぃ、ちょっと家に寄っていいか?」
「……構わない」

そんな会話もあり、ジンは一度自宅へと戻る。
そして机に突っ伏している月光花をみて、ジンは申し訳なくなった。
待ちくたびれてしまったか。スケジュールを考えると月光花は今日休日だという。
せっかくの休みなのに、そばに居てやれない悔しさもあるが、事態は一刻を争うものだ。
ジンは月光花を起こさぬよう自室からバレットセイバーを持ち出すと、
薄い毛布を月光花にかけ家を出た。
必ず二人で戻ると決意を固めて……。

「それ、もっていくの?」
「あぁ、こいつならタイマンはれるし、任せてばっかじゃ居られねぇからな」

不安そうなリカルドに構うこともなく、二人は庭に乗ってイースト方面へと急ぐ。
するとすでにカロンが空港へ待機しており、ジンは目を合わせる事ができなかった。
カロン自身も、何が言いたいかはわかる。

「カナトを助けたら……全部話す」

この言葉に、ジンが迷った。しかし、リカルドに肩を叩かれ肩の力を抜く。

「わかった……」
「……ありがとな」

その苦笑は、いつものカロンだった。
そうして二人は、カロンが作成したアジトのマップの共有を行い、建物の内部構造を確認する。
アジトそのものは、イーストの国境に沿いにある廃墟。一軒家を修復して使われているらしい。

「内装は二階建てで、そんなに広さはない。スキャンしたら、地下室もあるみたいだ。
カナトが居たのは一階だが、突入した場合、隠される可能性がある。
周辺の家具配置を今のうちに頭に叩き込んどけ」
「わかった」
「ジンは?」
「平気です。十人越えなければ……」
「殺すなよ」

釘を刺される。
当たり前の事なのに、カロンに言われた事で何故かイラついた。

「わかってる……」

今はこの言葉を信じるしかない。
普段通りではない事は、カロンはおろか、リカルドにすら気づかれおり、相当気が立って居るのは明らかだった。
このまま連れていけば、一線を越えかねない。
本来なら突入させないのが彼の為でもあるのだが……。
今はその方が酷か。

カロンに連れてこられた場所は、イーストの国境付近の廃墟。
村があったのかボロボロになった民家が立ち並び、一番奥には屋根のない屋敷がまるで眠るように、静かに存在している。
ほとんどの民家は焼け焦げ、室内がむきだし状態だが、奥に一件だけ、僅かな貰い火ですんだらしい家が立っていた。
穴は内面から塞がれており、屋根にはいくつもの修復のあとがある。
ここか。

ジンは裏から、カロンはリビングであろう窓の下へ、それぞれに別れる。
リカルドは一人で平静を装い、ノブを握って声をあげた。

「……誰かいますか?」

そういって開けようとすると、向こうから扉を開けられた。
出てきたのは、アラビア風の服を着るタイタニアの女性。タバコを加えている。

「誰だ。あんた?」
「コッコーを追いかけていたら、迷ってしまいました。トイレをお借りできませんか?」
「はぁ? どう迷ったらこっちにくるんだよ……」
「卵の採取にきたら、いつの間にか……」
「相当の方向音痴だな」

そうして女性はリカルドの足元から頭の上までを凝視し、腰のディバックをみてニヤついた。

「まぁいい。ちょっと待ってな」

待たされて数分。
リカルドは正面から中へと通され、民家のリビングへ案内された。
廊下に2人、リビングに5、6人、その中の何名は大富豪をしていた。
しかし、カナトは居ない。
トイレに案内され、個室空間へ入った所で、二人に人数の情報を送信。
リカルドが既読確認のメールを受け取った直後、カロンが動いた。
窓ガラスを粉砕し催涙ガスを投げ込む。
一瞬で真っ白になった空間へ飛び込み、窓際にいた数名を睡眠効果のある"ヴェノムブラスト"で眠らせる。
直後、トイレから飛び出したリカルドも、銃を抜いた人間へ"スピアサイクロン"を唱え、廊下にいた見張りも全員呼び寄せた。
その間に、ジンは廊下の突き当りにある窓を叩き割り、中へ侵入。
入り口にいた一名の見張りがこちらに気づき、銃を構えたが、遅い。
あらかじめ抜いていた、サイレンサー付きの自動式拳銃で相手の利き掌を射撃。貫通させた。
さらに足をうって動けなくすると、もう一人向かってきた敵の拳かわし、膝蹴りを腹に一発。
致命傷にならぬよう、近距離で肩へ撃ち込んだ。
そうしてジンは、廊下の脇にある階段を登り二階へ、居たのは5人。
みんな銃を持っていた。
大丈夫だと言い聞かせ、自動式をすててサラマンドラを抜く。
向けられた銃口の射線からずれるように動き、確実に敵の利き手首を撃つ。
一人撃ち損じ、なまったなと思いつつも、向かってきた数名には、右手のサラマンドラを捨てて、背中のセイバーを抜いた。
腰を落とし、脇腹、腹脇へブレードを滑らせれば、きられた相手は痛みに悲鳴をあげて倒れる。
懐かしいと思った。そして忘れかけていた対人の勘を、着実に取り戻して行く。
3人切ったところで、後ろのうち損じた一人の銃口がこちらに向く、
ジンが目の前の敵をすり抜け、射線から外れると、発砲された銃弾が、味方の背中中央に命中。
距離的に貫通していない。応急処置をしなければ死ぬなと冷静に思い、
バレットセイバーの筒に装填。発砲した。
手のひらを貫通し、銃を落とす。さらに足首、脛の骨へ打ち込み、悲鳴をあげた。
懐かしい。

気がつけばあと一人だ。腰が抜けたのか床に座り込んでいる。
ジンは無心のまま、バレットセイバーの銃口を向けると両肩、両足へと打ち込み立てなくした。
全員を片付け、周辺を見回したが、カナトは居ない。
"ナビゲーションデバイス"で地下室の位置を確認しようとした直後。後ろへ気配を察知。
分かっていただが、隙を見せないと出てこないことは知っているので、
振りかぶった拳をスカらせ、ブレードを一閃。
敵の利き手を切り落とした。
噴き出す赤い鮮血。腕ぐらいなら死にはしない。

浴びた返り血を、ジンは冷静に袖口のファーで拭くと、人の油を完全にはじいているセイバーをみて感心する。
普通の武器なら、一度人間を切ると油で切れなくなるが、これはいい武器だ。
サラマンドラを拾って、ジンは先ほど確認した地下室を目指し、階段を降りて下へ、
リカルドとカロンは、いまだリビングで乱闘をしており、そこは二人に任せて、
ジンは"ナビゲーションデバイス"に表示された、奈落式の地下へ潜入した。
穴をほって作ったのか、それとも元々あったのか、
資材置き場となっているそこは、使い古された武器や道具で一杯だった。
ひと気はない、上に10数名で全員だったのか。
そんな想いで、ジンが資材置き場の際奥へ慎重に進むと、薄い布の上で、後ろ手のままぐったりとするカナトが居た。
無事だ。救われた気分で駆け寄り、呼びかけるが目を覚まさない。
抱き上げ、しなった翼をみれば、一番外側の羽を根元からバッサリと切断されている。

間に合わなかった悔しさがこみ上げるが、そんな場合じゃない。
すぐに連れ出そうと、カナトを抱き上げたが、持ち上げた直後。壁へ繋がれている足に絶句した。
銃で壊そうとも考えたが、鉄製の壁に繋がれていて、跳弾が危険すぎる。
舌打ちと共にカロンとリカルドへ連絡しようとした直後。
目の前の壁にターゲットライトが一瞬写り、ジンは反転。
頭の位置に銃弾が飛び、壁に当たって跳弾。資材へとめり込んだ。

危ない。
サラマンドラを抜き、短剣をもって向かって来る敵と向き合う、早い。
突き出され肩を切った。
銃だと間に合わないと判断し、右手のサラマンドラを捨てて、腰のセイバーを抜く。
脇腹を着るために振り切ったがやはり早い。当たらない。

「へぇ、殺す気で来てんな……楽しいぜ」

挑発か。
不安定なリズムでお互いの斬撃を交わし合い。一度だけ刃が交わった。
その瞬間、ジンは左手でサラマンドラを抜き発砲。
敵は予想外だったのか、威力の反動で奥へ飛ばされる。
ジンは追撃のためにさらに前進し、資材に激突した相手の喉元ギリギリへ、セイバーを突き刺した。
赤い血が首元に伝う。息はかなり上がっていた。
首元にバレットセイバー。額にはサラマンドラを突きつけ、ようやく沈黙する。

数秒。数分立っただろうか、ジンの呼吸がこだまする中。
左手の銃がガクガクと震えている。
撃つなと訴える意思と、撃たなければ殺されるという意志がせめぎ合い、手が動かない。
ゆっくりと冷静になってくると、白タートルネックは血だらけで、後悔と罪悪感にすべてを支配される。
もう、どうなっても同じだろうか……。

「……ジン」

弱々しい小さな声だった。
聞き覚えがあって、でもついさっき聞いた声で……。

「殺してはいけない……ジン」

そうして手の震えが止んだ直後、敵の口元が緩み、サラマンドラを蹴り上げられた。
そして左腰から出てきたのは、六発装填式拳銃。レボルバー。
しまったと思った頃には遅い。バレットセイバーを握っていた右手を撃ち抜かれ。
掌から弾丸が腕の中へ、また反動でジンは床へ倒れた。

再び沈黙。利き腕がやられた。
辛うじて上体を起こしても、突きつけられる銃口。
やってしまった……。

「下克上だな……」

言葉が出なかった。
武器もすべて使い、丸腰の状態だ。もう抵抗できる余地がない。

「……やめろ」

小さな声。必死で訴えてもジンにしか聞こえてはなかった。
指にかかる引き金は、引かれた時点ですべてが終る。
ジンは贖罪だと思った。沢山の人を傷つけ、生きている方がおかしいとすら思った。
だから……

「やめろ!!」

途端。赤い魔法陣がカナトの足元へ展開。
ジンは何が始まるのか一瞬で理解した。
だめだ。こんな場所でつかったら、カナト自身も……

「"ジョーカー・アート!"」

どんっ
魔法の暴発音。ジンと共に敵も一気に吹っ飛ばされる。

舞うホコリに埋れ、腕の痛みの中を這い出すと、ぐったりとしたカナトがいて、ジンは無我夢中に駆け寄った。
気絶してしまったカナトを左腕で持ち上げ、歯を食いしばる。

「ごめん……カナぁ……」

苦しい。
自分を犠牲にしてここまでやらせてしまうとは、情けなくて泣きそうだ。

でもそれでも、武器がないジンはもう戦えない。
後ろには銃を構える敵が、再びこちらを狙っている。

抵抗ができないなら、せめて側に居てやりたいと思った。
最後の最後まで、自分を守ろうとした相棒を、殺すなと言ってくれたカナトを守りたい。

完全に気絶し、浅く息をするカナトを強く強く抱きしめる。
謝っても謝りきれない事は分かっている、でもそれでも、護りたかった……。

どんっと言う音が聞こえ、ジンが終わりを覚悟した直後。
キンっという音と共に、何もない場所へ人影が現れる。

「おまたせ!!」

真っ白な四枚の羽と展開する白い魔方陣。
銀に輝く球体が数多浮き上がり、一気に発射された。

「全力でいくよ!! "フォトンランチャー!!"」

爆音を立て、全ての球体が的に命中。爆発した。
フォースマスターの魔法は圧力攻撃であるため、殺傷能力は皆無。
狭い空間で巻き起こった風圧に、ピンクの髪が大きくなびき、カラフルなドレスをばたつかせた。

同時刻。建物の外で一人の黒ドレスをまとった黒羽の女性が、黎明杖・カドゥケウスを振り回し、唱える。

「フェンリル!!」

遠吠えと同時に、紫の体表をもつ巨大な狼が召喚された。
フェンリルは、民家から出てきた人間たちを牽制し、さらに重複して唱えられた"ヒンダーハンド"で捕まえる。
そんな彼女の様子を見て、後ろで見ていたエミルの男性は、嘆息まじりで前へ出た。

「世話が焼ける人たちですね、本当に……」

そう悪態をついた自分も、どれだけ甘いのかと思う。
取り出されたのは、宝杖・レッドルナ。点高く掲げれば天空よりエネルギーが集まる。

「"エレメンタルレイン!!"」

直撃はさせない。
空から落ちる属性エネルギー体が、イーストの大地に突っ込み、いくつものクレーターを作る。
それに驚いた彼らは、腰を抜かし誰もが動きを止めた。

「うーん。セオ君。やりすぎ」
「ストレスが溜まっているのです。貴方こそ職権乱用ですよ」
「言い出したのは君だろう?」
「ここまでやるとは言っていません」
「ははは、まぁ僕達は、ランカーだしね」

そんな会話をする2人の脇で、逃げようとした一名を、細い剣を抜き一人ずつ倒して行く、小さなアークタイタニアも居る。
相手は油断していたのか、短剣をもって向かってくるものの、武器を弾かれ、突きつけられた。

「投降してください」

そう言い放つが説得力がなく、敵は一歩交代してさらに接近。
剣を逆手に持ち替え、剣の背で一閃するように殴りつけた。
嗚咽を感じた相手は、腹を抑え倒れこむ。
11歳の身なりが大の大人をのしている事に、三人は思わず感心した。

「強いね。カルネ君」
「ランカーなら、当然ですよ」

そんな、セオの言葉を聞いた。白い職服のタイタニアは、二人の一歩前へとでると、足元へ巨大な魔法陣を呼び出した。

「デフィンス・コミュニオン……!!」

青い光が横にいる3rd、アークタイタニア・ソウルテイカーのナハトと、6thのエミル・アストラリストのセオ、10thのアークタイタニア・グラディエイターのカルネオルにも付与される。
その力は、術者が味方だと認識するものすべてに付与され、絶対防御を与えた。

「後は、突入した2人が、何とかしてくれるさ」

そう、ランク1stのアークタイタニア・ガーディアンのホライゾンがつぶやいた時。中でカロンを抑えていた女性が、突然銃で殴り倒された。

「はろー。面白いことやってんじゃん!」
「リゼ!」

ランク7th、イクスドミニオン・ホークアイのリゼロッテ。
彼女は向かってくる残党を次々に伸していき、手加減で倒しきれなかった連中を再起不能にしてくれた。

「あの子達はどうしたのん?」
「おそらく地下だ。リカルドは二階で、ジンが殺しかけた奴らの応急処置に行ってる」
「相変わらずね。ぬえちゃんはどこかしら?」
「ぬえもきてんのか!?」
「私より先に、”インビシブル”使って偵察に行ったけど……」
「なら多分、地下だな」

そんな雑談をする二人は、それ程までに余裕があるのか、未だに乱闘する相手の感情を煽る。
そうすると、イラついた敵が目の前へ突っ込んできて、リゼロッテと一緒にダブルパンチを決めた。
あれ? と思いアイコンタクトが行われる。

「あら、息が合ってるわね」
「うれしくねぇなぁ……」

苦笑。もう数分もすれば、ここも終わるだろう。
そうして、形成逆転が繰り広げられている中。
地下にいる三人は、敵のポケットから枷と手錠の鍵を取り出し、カナトを開放してやった。

「おぶれそうかい? ジンさん」
「ぬえさん。手伝ってもらっていいっすか。右手が全く動かなくて……」
「それなら、来てもらった方がいいよ」

そう言ってぬえは、全体通信で応援を呼んでくれた。
ゆっくりと痛んでくる右腕。徐々にそれは酷くなり今にも気を失いそうだ。
しかしそれでも、丸腰はいけないと思い、落としたサラマンドラを拾いにいくが、クラクラする。

「ジンさん?」

名前を呼ばれ、振り向こうとした時、資材に埋もれる敵が目に入る。
相手も気絶し、動く気配がない。
でももし、カナトがまた攫われたら、今度こそ無事では済まないかもしれない。

「なにしてるの! ジンさん!」

なにもしない。これ以上失うのは嫌だ。
失う根元は、ここで断ってしまった方がいい。
ゆっくりと銃を左手で構える。握力は弱いが、十分撃てる。
的は大きい。頭を撃てば苦しまずに済むだろう。
ぬえが止めようと駆け出すも、引き金の方が早く、間に合わない。

どんっ。
爆音が響いた。

途端。目の前に横切った黒い影。視界を遮られて、ジンは言葉を失った。

カロン。

弾丸はカロンを突き抜けたが、方向が変わり、壁にぶつかり跳弾。
資材当たる。

「殺すな……ジン」

その言葉を聞き、ジンは、何かの支えを失うように倒れた。


To Be Continued…
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本編 | 【2012-11-25(Sun) 00:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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