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反逆の大地-Hells of Rebelion- 第一話:始まりの離別
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【連載】詠羅×リュウド×ラフォル リレープロジェクト

反逆の大地-Hells of Rebelion-

出演:リュウドさん、ラフォルさん

あらすじ
冒険者ラフォルは、演習に参加する一般冒険者。
ある日彼は、パートナーのドラッキーとのデート中、冥界のレジスタンスを募集するチラシを目にする。戦争の最前線となる冥界にドラッキーは感心をみせ、彼は彼女と共に冥界へ協力する為に戦地へと赴くのであった。

*目次
第一話:始まりの離別
第二話:世界のあり方
第三話:捜索と出会い
第四話:冥界と言う世界
第五話:2つのあり方
第六話:偽りの仮面
第七話:結論。そして旅立ち
第八話:開戦
第九話:機械の人間
第十話:孤高なる決意
第十一話:神の審判
第十二話:偽りの神と王
第十三話:願われた神
第十四話:凱旋の禊
第十五話:エピローグ


 
第一話:始まりの離別

著:リュウドさん


 冥界――機械種族DEMの侵攻によって荒廃したこの世界では、常に戦場が存在していた。次元を超えて現れた敵、DEMとの何時果てるともしれぬ戦いを続けるうちに冥界は確実に消耗を続けている。
 冥界に住まう種族ドミニオンは、彼等だけでは対処できぬこの状況を、エミル界、天界といった他の世界に救援を求めることでなんとか持ち堪えている状態であった。冥界にて大きな戦いが起る事を知ったエミル界の冒険者達は、助けを求める声から、義憤から、はたまた力試しから応援に駆け付けていた。

 アクロニアで冒険者を生業としているラフォルもまた、相棒のドラッキー・アルマと共に、冥界の種族ドミニオンへの助勢のため戦いに身を投じた一人である。

「はぁっ!!」

 足場の悪い砂地において、弾丸を掻い潜ったラフォルは黒銀の剣を振るいDEM達を打ち倒していく。剣光が横に走りDEMの身体は両断される。
 鋼鉄の身体を持つとは言え、並みのDEMでは数多の戦場で剣の腕を磨いてきたラフォルの敵ではなかった。
 また、ラフォルと共にこの戦場に馳せ参じたドラッキー・アルマの支援も手厚い。

「させません!!」

 彼へと向かうDEMの動きを影縫いによって塞ぎ、それをラフォルが打ち倒す。

「ありがとうドラッキー」
「主様は私がお守りいたしますから」

 戦場故に交わす言葉は端的だが、そんな中でも、互いの存在が温かく、そして心強くもあった。

「DEMの攻勢も少し弱まっている。けど油断はできない。傍を離れるんじゃないぞ」
 普段の時よりも、やや強い口調。しかし、その気持ちを察したのか、ドラッキーはコクリと頷き。

「承知しております」

 ふと、目の端に青外套の男が疾駆する姿が映る。
 ラフォルにとってそれは良く知った人物だった。攻勢が弱まったとはいえ、円陣を切り崩して一足飛びで敵陣の只中へ突撃していった。傍で見ればあまりに無謀な行動に周囲から「馬鹿か」「自殺志願者なのか」と呆れたような声が上がっている。
 確かに無理もないな……

「リュウドさんは相変わらずだな……」

 だが、心配するような相手でもない。
 あの人のことは良く知っている、放っておいても死ぬことなどない。事実、リュウドは敵陣の只中で四方八方から襲い来るDEMを迸る剣光にて斬り飛ばしている。側面、背面からの襲撃にも人間離れした反応で迎撃を行える異常な程の勘の良さ。
 彼の特性を良く知るラフォルは、その光景を慣れたものとして認識しているが、直前までリュウドの無謀さに失笑していた冒険者達は驚愕に顔が固まってしまっている。
 そんな中、一際大きなDEM―ナウマーンが火器による一斉掃射で冒険者を薙ぎ払いながら、前線に出現した。
 だが、そんな巨人の如きサイズのナウマーンでさえ、ただ狩る獲物としか映らなかったのだろう。リュウドは大きな獲物を見つけると、そのまま分身さえ残す早さで火砲を掻い潜る。そして、DEM―ナウマーンの頭部まで一気に駆け上がると、その剣で頭部から脚部にかけて、円を描くように無数の剣閃を走らせる。そうして青外套を纏う男は、機械の巨人を瞬く間にスクラップの山へと変貌させていった。
 ラフォルはその様子を目の端に捉えつつも、堅実にDEMを潰していく。
小型のモノも、残しておけば後々の戦況にも響く。
 無論、小物ばかり処理すれば良いと言う訳ではない。
 ラフォルの前にも、リュウドが先ほど解体処理したものと同サイズのDEM―ナウマーンが出現した。
 ナウマーンの放つ弾幕で防戦に追い込まれる周囲の冒険者。彼らの戦力的にこれを処理するのはかなり厳しそうだ。

「ドラッキー」
「分かっています」

 ラフォルの声に応えて、ドラッキーがナウマーンの影にクナイを突き刺すと、その動きが著しく減速する。
 その隙にラフォルは、手元にイリスカードを取り出し黒銀の剣へと挿し込んだ。カードが幻影の如く剣へと吸い込まれると、カードに込められた力が発現し刀身が雷を纏う。
 剣に雷光が行き渡ったのを確認し、神速とも言える踏み込みで間合いを詰めると、そのまま雷を纏った剣を一閃する。可視化された超高圧の電流が、ナウマーンの機械の身体に駆け巡り、煙を上げてその巨体は大地へと沈んだ。
 DEMの攻勢もじわりじわりと弱まっている。
 ――程なく、敵も退却を試みる頃合いか。
 ラフォルの脳内に想定されるこれまでの前例を踏まえたシチュエーション。
 その時、一陣の突風が砂嵐を巻き起こした。

「……何だ?」

 冥界の天候にはそれほど詳しいわけではないが、このような事象は初めてであった。
 瞬間にして、何よりも自分の大切なものの身を案じた。
 離れぬよう手を掴もうとして、それが空を切った時、ゾワリと悪寒がせり上がった。



 磁場を含んだ砂嵐の中で敵も味方もその姿が包まれている。怒号と悲鳴が飛び交う中で、リュウドもその表情を険しいモノへと変えた。

「なんだ?これ……」

 彼の場合、元々周囲にも仲間を随伴させていない状況だったが、視界を遮るほどの嵐に巻き込まれ、味方はおろか敵さえも見えなくなってしまっていた。手近には目印になるようなものもない。

「嫌な気配を感じるな…」

 周囲が混乱する中、真逆に彼はむしろ冷静であった。時折、騒音の中から拾えた情報に何か得るものでもないか、そう考えていた時、

「――……ッ!」

 聞き覚えのある悲鳴がリュウドの耳に届いた。



 今のはドラッキーの悲鳴だった。
 視界の遮られた中、ラフォルが声を頼りにドラッキーを探す。

「ドラッキー!どこだ!!」

 彼の目に飛び込んだのは地面に倒れたドラッキーを抱え上げた人の姿。

「お前ら……何をしてる……!」

 DEMではない、味方のはずの人間だ。
見ようによっては倒れたドラッキーを助けたようにも見えるかもしれない、だが――

「なんだぁコイツはぁ??」
「姫の護衛かぁ?」
「ヒャッハァ!見たところ冒険者のようだぜぇ!?」

 それを見て交わされる言葉はラフォルにとって意味不明の内容だ。

「その娘をどうするつもりだ、今すぐ手を離せ!!」

 ドラッキーを抱えた巨漢の男とソレを守るように並び立つ三人の男達。

「ハッハァァァ!!この状況で元気が良いじゃねぇかぁぁあ!?」

 数的有利からか、巨漢の男は見下すように言葉を吐き捨てる。

「言いたいことはソレだけかぁ!!」

 言葉と共に飛び出したラフォルは力強く地面を踏み込むと、まるで爆発が起きたかの用にその身を加速させる。他の三人の間を一瞬で突き抜け、ドラッキーを抱えた巨漢の男を一閃する。

「っぐぉおぁぁあ!?」

 だが男は叫びとその見た目に反し、軽快に身を捩らせて致命傷を避けた。

「くぅぅそったれぇぇええ!お前等ぁぁああやぁああっちまえぇええ!!」
「ヒヒッ!」
「シンデ……モラウ……」
「ヒャッハァー!」

 傷を受けた巨漢の男は激昂し、他の三人へ叫ぶと、指示を受けた三人は即座に行動へ移る。素早くラフォルを取り囲んだ敵は、武器を構えその命を奪わんと飛びかかった。
 しかし、ラフォルは避ける素振りも無く黒銀の剣を腰だめに構える。
 三人の凶刃がその命を刈り取らんとした直前、ラフォルは旋風の如く回転し、一瞬で剣を振り抜く。黒銀の刃は、爆風と見紛うばかりの強烈な衝撃波を生み出し、襲撃者達をまとめて弾き飛ばした。

「ヒャハァ!?な、なんだコイツゥ!つえぇえぞ!?」
「ちっ、馬鹿野郎共が!!こうなったらしょうがねぇ!!」

 そう言うと同時に巨漢の男はドラッキーを抱えた手とは逆方向の手で何かを操作する。すると、突如として砂嵐を突き破り、巨漢の男達を守るようにして周囲にDEMが現れる。
 その数は凄まじく、まるで残存した全てのDEMが巨漢の男達を守るために集結しているかのようだった。

「馬鹿な!DEMが奴らを守っている!?くそっ……邪魔をするなぁッ!!」

 ラフォルは押し寄せるDEMをまとめて一閃する。振り抜かれた刃は流れるようにその軌道を変え、新たな斬撃を繰り出す。斬撃は斬撃を生み、その動きを一切止めず無く絶え間なく敵を破壊し続ける。
 尋常ではない速度の連撃により次々とスクラップが積み上げられていく、だが敵の数は一向に減ることはない。

「よぉぉぉおし!わざわざこんな奴を相手にする必要なんてぇねぇんだ!さっさとずらかるぞぉぉおお!!」
「ヒャッハァー!任務完了だぁ!!」

 DEMの群れの隙間から、男達が背を向け逃げ出していく姿が見える。

「くっ……っそぉおお!!待ちやがれぇぇえええ!!」

 ラフォルの叫びは行く手を遮るDEM達の前に虚しくも吸い込まれていく。
 男達は消え、ドラッキーを追うことはもう叶わない。
 だがこのままではDEMの群れに押しつぶされ、ドラッキーを救うどころではなくなってしまう。絶体絶命の状態でも諦めるわけにはいかなかった。
 次第に倒しきれなかったごく少数のDEMが起き上がり、ラフォルの後方から攻撃を繰り出そうとする。致命傷には至らずとも、連携が止まれば前から迫るDEMに押し切られてしまうであろう。
 今度こそダメか、と思ったその瞬間。

「大丈夫かおい!!」

 青い剣光がほとばしり、ラフォルの後方から迫るDEM達が一瞬で斬り刻まれる。
 そこに現れたのはドラッキーが攫われる前に見かけた青外套の男、リュウドの姿だった。

「リュウドさん!?助かる!」
「とりあえず、こいつ等を片付ける、話はそれからだ!」
 そう言うと、二人は剣を振りかざして周囲のDEM達を掃討しにかかった。



 一体どれだけの数の敵を一度に倒したのか。傷こそ受けていないものの、既にラフォルの体力は限界を迎えていた。

「ぐっ……まだ……まだだ……っ!ドラッキーを……助け……ないと……!」

 虚ろな眼のまま、それでも前へと歩き出そうとする。

「ドラッキー?一体何が……っておい!馬鹿野郎無茶すんな!」

 そんなラフォルを見てリュウドは止めようとするが、心身共に限界を迎えていたラフォルはあっさりと崩れ落ちてしまう。

「だぁぁぁ言わんこっちゃない!こんな所で気を失うんじゃない!踏ん張って眼を開けろぉぉおお!!」
 リュウドが叫ぶがその甲斐もなく、ラフォルの意識は暗闇の中に飲み込まれていく。
「っ…………ドラッ……キー……」

 薄れゆく意識の中、ラフォルはこの戦いに参戦する時の事を後悔するかのように思い出していた



 ――アクロポリスシティの下層にあるダウンタウンにて、ラフォルはドラッキー・アルマと共に買い出しに出かけていた。
 アクロポリスシティに腰を落ち着けてからは、こうして過ごすささやかな時間に幸せを感じるようになった。冒険者をやめたわけでも、演習をやめたわけでもないが、ただひたすらに戦いに明け暮れていた頃に比べれば、随分と丸くなったものである。
 ふと紙袋を抱えていたドラッキーが、露店でアクセサリーを見ていた。
「ん、何か気になるものであった?」
「あ、いえ……」
「いらっしゃい。兄ちゃん、彼女にプレゼントでも一つどうだい?」

 露店商のおじさんの言葉を受けて、陳列されたアクセサリーを見てみる。
 並んだ色とりどりの細工はどれも見事な出来であった。ドラッキーが欲しがっているならソレも悪くはない、と考える。
 そのドラッキーが一番熱心に見ていたのは、剣のアクセサリーがついたチョーカーだった。色こそ違えど、自分が愛用している物と同じデザインの物。女の子が身に着けるには少々厳ついデザインだが。
 "お揃い"のデザインのチョーカーを熱心に見つめるその姿に、思わず表情が緩んでしまう。

「そうだね、ここはおじさんの口車に乗らせてもらおうかな。このチョーカーをひとつお願いします」

 そう言って、ラフォルは露店商から剣のアクセサリーをあしらったチョーカーを買う。

「あ、主様……!?」

 熱心に見つめていたのに反し、ドラッキーは驚きの声を上げる。

「これでお揃いだな」

 にっと笑い、ドラッキーにチョーカーを手渡す。

「あうぅ……!あ、ありがとうございます……です」

 受け取ったチョーカーを、ドラッキーは両手で抱きしめるようにして、とても嬉しそうな表情を浮かべる。想像以上に喜ぶドラッキーに気恥ずかしくなり、つい顔を赤らめてしまう。
 そうして二人で見つめ合っていると、いつの間にか露天商のおじさんがとても渋い表情になっていた為、慌てて店を後にした。

 ダウンタウンのストリートを二人で並び歩き、帰路へと向かう。
 そんな時、ラフォルは依頼書を張りだした掲示板を目にして立ち止まる。最近は大掛かりな冒険に出ることも少ないが、蓄え自体は十二分にある。わざわざ依頼を受ける必要はないのだが。
 数ある依頼書の中で目に留まったのは冥界からの戦力支援の依頼。
 DEMの侵攻を受け続ける世界は常に戦いの最前線にある。エミル界からも兵の派遣があるが、それだけでは足りず冒険者にも戦力を募っている。
 そうやって依頼書を注視していると、ドラッキーもラフォルが目にしていた依頼書を気にしたようだ。

「主様、これは?」
「ん?あぁ、これはね」

 ラフォルは冥界の惨状と、この依頼の関係を掻い摘んでドラッキーに説明する。

「そうでしたか……小生の知らない世界ではそんなことに……」
 ドラッキーが悲しげに目を伏せる。
「エミル界は割と平和だけど、まぁそういうところもあるんだ」
「……」

 少しドライな物言いだったかな、とラフォルも考えた。他人のことに全く関心がないわけじゃない。ただ、優先順位が決まっているだけだ。
 勿論、全員が幸せになれたなら、それは望ましいことだと思うけれど。

「主様はこの依頼、どう考えてますか?」
「……」

 僅かばかりの沈黙のあと、優しくドラッキーの頭に手を乗せる。

「うん、この依頼受けようか。オレも、たまには冒険者らしいことしないとダメかなって思って見てたわけだしね!」



 ――戦場で突如起きた熾烈極まる暴風。
 それは巨大な竜巻と化して、レジスタンス軍に大きな被害を与えた。突如発生した異変により、冥界の軍人だけでなく冒険者にも多数の死傷者を出すこととなった。難を逃れた冒険者達も戦場跡の凄惨な状況にぐったりとしている。
 そんな中、気絶していたラフォルは絶叫と共に飛び起きた。

「ドラッキー!!」

 周囲を見渡すと、そこには見知った金髪に黒いハチマキを巻いた男、リュウドの姿がある。

「リュウド……さん……?」
「目が覚めたか?」
「ッ!それよりドラッキー……ドラッキーは!?」

 気を失う前の状況をぼんやりと思い出しドラッキーの姿を探す。だがその姿がどこにも見えない事でドラッキーが連れ去られてしまった事をすぐに思い出す。

「そうだ、オレのせいでドラッキーは…………ちくしょぉお!!」

 ラフォルは悔しさで拳を地面へと叩きつける。

「一体何があったんだ?さっきの状況は何だったんだ」
「ドラッキーが……変な奴らに攫われたんだ……そいつ等自体は大したことはなかったんだが、急に周辺にいたDEMが奴らを守るように一斉にこっちに向かってきて……くそっ!!」
「殺戮DEMが人の味方を?どういうことだ、それに何故ドラッキーを……」
「オレにだって分からねぇよ!……そういえば奴ら、姫だの護衛だのって訳の分からない事を言っていたな」
「姫?何だそれ……チッ、状況が見い出せないな……とにかく一旦拠点に戻るぞ、戦闘が終わったとは言えこんな場所でじっとしてる訳にはいかない。それに、やることはハッキリしてるんだろ?」
「あぁ、当然だ……!ヤツ等を探し出してぶちのめす、そして、必ずドラッキーを救い出す!!」

 そう言うとラフォルは立ち上がり、どこまでも続く砂塵の先を睨み据えるのだった。



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本編 | 【2019-02-01(Fri) 20:00:00】 | Trackback(-) | Comments:(0)
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