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外伝:リュウドVsキリヤナギ*第三話:イリスの力とアナザー
kiryudo_01_181002.png
(連載)リュウド先生合同プチリレー作品
リュウドVSキリヤナギ

*第三話:イリスの力とアナザー(終章)

前回
第一話:序章
第二話:それぞれの力



 
著:リュウドさん

眼前、キリヤナギが二振りの大剣を構えている。
武器が変わった為か、それとも心理的な要因か。
先程とは別人の様な攻撃的な波動がキリヤナギの全身から放出されているのを感じる。

「この5分で見せてくれ……お前の全てをッ!アナザー解放ッ!!」

アナザークロニクルを開放したルチフェロアナザーの力。
リュウドの身体からアナザークロニクル特有の黒い雷光を伴った蒼のオーラが放出された。

二人の周囲に迸る力の波は、そのまま石畳に亀裂を奔らせる。

強大な力の圧力は二人の狭間で鬩ぎあい、見えざる攻防となり周囲の空気を湾曲させた。

タイミングを測り、その挙動を最速のものへと変化させようとする直前。
先に仕掛けたのはキリヤナギであった。
「何ッ?!」
踏込で割り飛ばされた石畳を置き去りに一瞬で間合いを詰めたキリヤナギは既に眼前。
虚をつかれる形となったリュウドだが、白騎士の振るう大剣の軌跡に蒼き長剣を割り込ませる。
直後、体格から想像もできない凄まじい衝撃がその身を襲った。
―ッ圧し負けるッ!?
総身に力を込め、堪らえようとしたがそれが悪手であると悟るのに間はなかった。
白騎士はまだ二刀目を残している。
「せやあぁーーッ!」
裂帛の気合と共に、胴体を両断せんと迫る剣閃。
反応ではない反射、脳より先に身体が反応し、長剣の柄がギリギリで致命の一撃を阻んだ。
しかし、その衝撃を受け切る事は叶わず、その身は弾丸の如く真横へ吹き飛ばされる。

吹き飛ばされたリュウドは恐るべき体幹制御で石柱に着地する。
だが、息をつく間もなく黒影を纏う白騎士が迫っていた。
これを避けるという選択肢はリュウドには無い。
石柱に踏込足の跡を残し、リュウドは自身を蒼黒の矢に変え中空でキリヤナギと剣を交えた。
互いの剣光がぶつかり合う。

―速いな。
リュウドは内心舌を巻く。
キリヤナギが振う二振りの大剣。それは一見した通りに重量武器の重さも兼ね添えている。
しかし、それが描く光芒の軌跡は形状から想像したものとは異なる鋭さだ。
小柄な体格、そして二振りの大剣。それらの視覚的情報はまるで宛てにならない。
―なるほど……フェイクの塊のような相手だ。
思考を切断するかのように斬光が頬を掠め血が滲む。

「チィッ!だからと言って、このまま押し切られる訳に行くかッ!」

リュウドはそのまま魔王の力を使い自らの長剣の刀身に凄まじいエネルギーを収束させる。
それに呼応するかのように、キリヤナギの大剣にも同様にエネルギーが収束されているのが見える。

―コンチェルタート
それは、ルチフェロ・アナザーの力を借り一瞬で九つの斬撃を繰り出す攻撃技。

二人が放ったそれは宙空に九頭竜の幻想を描き、その光芒が奔りぶつかり合う度、雷撃と化した旋律が二人の領内で荒れ狂う。
互いに斬り結び、ぶつけ合った九太刀目の剣圧の反作用で大きく間合いを取りつつ地に戻る。

そのまま睨み合う二人。
「その大剣……ルチフェロのアナザークロニクルにそんな力はなかったはずだが、それもお前の力の影響なのか……?」
問いかけるリュウド。
「え、これはイリス武器って言って……そうだね。秘密兵器みたいなものだよ」
それに対し一瞬思案してから返すキリヤナギ。
キリヤナギが握る二刀の性能……その威力は確かに秘密兵器と言うだけの事はある。
リュウドの剣は特殊な魔剣・聖剣の類ではないが、それなりの名剣ではあるものだ。
その刃が僅かながらこぼれている。
「なるほどな……面白い攻撃をしかけてくれるじゃないか……!」
リュウドは手の甲で頬から流れる血を拭いつつ言う。
「こいよ、と言われたからにはこちらから仕掛けないとね。少し加減をした方が良かったかな?」
キリヤナギが不敵な笑みを湛えつつ放った言葉。
「いや、その心配はいらないさ、こちらこそ済まなかった。
 舐めていたわけじゃなかったんだが、それでも見誤っていたようだ」
それに対し、リュウドは獰猛な笑みを浮かべて返して見せる。



―面白い……。
立ち会いの当初よりキリヤナギとリュウドの戦いを見守ってきた眼帯の男―グランジの胸中には興奮と驚嘆の感情があった。
反対にホライゾンもまた険しい表情を見せている。
眼前の戦闘がこれまでにない次元に達していることを空気で感じているようだ。
そして何より……
「総隊長がここまで高ぶるのも珍しいね……」
ホライゾンの言葉に頷き、これまでの彼の姿に思いを馳せる。
普段のキリヤナギの言動を考えれば、そう思うのも無理はない。
現在見せているキリヤナギの力も戦いぶりも、彼を良く知る者にとっては真反対の性質のものだ。
一介の冒険者が突如現れて、決闘の申込みをしたと聞いた時は馬鹿な話をと思ったものだが、おかげで珍しいものを見れた。
戦い嫌いのアイツが随分と楽しそうにしている。


残像を残して疾駆するリュウドの蒼影。
疲れを知らないのかスピードはまったく落ちない。どころか心なしか早さが増しているようにさえ感じる。
―っ……早いっ!
キリヤナギが応戦するために二刀を構える。
リュウドが素早い突進から間合いに入るや、剣が数度に渡って交わり火花を散らす。
刹那の瞬間に奔る違和感、キリヤナギの中の魔物が警鐘を鳴らす。
闇の力を更に増大させ、アナザーの力はより黒く染まりゆく。
すると、それに呼応するようにリュウドの蒼黒のオーラに淡い燐光のようなものが混じり始めた。
転瞬、合わさった斬撃の重みが急激に増し始める。
それは切替しの度に鋭さも増していく。
負けじとキリヤナギもその動きを加速させると、宙には散弾銃の弾がぶつかり合ったかのように鉄粉と火花が舞う。
「攻防を分けたものじゃない、どちらもが攻防に使え、自在に操ることのできる二刀流……かッ!」
リュウドの長剣が下弦から三日月の斬光を描く。
「っ?!」
「なら、こっちは二倍の速度で剣を振えば良いっ!!」
音を裂き奔る光芒―交差した二人の位置。
間を置かず、それが一体何時ついたのか……キリヤナギの身体に走った袈裟懸けの跡から血飛沫が飛ぶ。
「俺の方が速かったな……!」
振り返ったリュウドがニヤリと笑う。
キリヤナギの傷そのものは再生能力によって治癒される。
それは本来即座に行われるものであるはずだった。これまでは。
アナザーの力かそれとも今もなお高まり続ける彼の闘気か、原因は不明だが傷の治癒速度が普段より遥かに遅くなっている。
未だ続く出血は白いサーコートを赤く染めていく。
「これは君の、力……?」
キリヤナギは未だ癒えぬままの血を手に取り、誰に問うでもない言葉を口にする。
「力?何の事だ、そんなことより、そんな風にボーッっとしてて良いのか!?」
リュウドはそう言いのこし、またも蒼の風と化して、突進してくる。
魔物の警鐘は更に増す―何をしている?相手を殺す気で戦え!と。
高まる闇の力がキリヤナギの出血を止め、可視化された邪悪な力が周囲にまき散らされる。
愚直に前から向かってくる相手を阻むため大剣が作り出した絶妙な時間差の軌道に対して、殆ど間を置かずに奔る剣光が相殺を仕掛けて来る。
火花が散って舞い、軸をずらされた剣閃を掻い潜る。
更に深い間合いに入るや、その拳がキリヤナギの胴部を貫いた。
衝撃が臓腑を駆け巡り、身体が大きく吹き飛ばされる。
中空で体勢を立て直しつつキリヤナギは思わず呻き声をあげる。
―まだ早くなる……!?
この剣士に足場の概念を考えての対応はあまりにも馬鹿馬鹿しい。
追撃のため飛び上がったかと思えば、今度は乱立する石柱を飛び渡り、全方位からの射撃さながらに、あらゆる角度から剣が飛んでくる。
それ等を中空で回避しつつ、牽制代わりに闇の霧を放つが、鋭い剣圧の前には雲散霧消するのみだ。
間を置かず天から急加速で振り降ろされた斬撃が凄まじい圧でキリヤナギを襲う。
キリヤナギはそれを一刀で防御し、そのまま身体を回転させながら石畳の上に着地する。
だが、弾丸と化したリュウドがすぐさま正面から向ってくる。
瞬時に左腕を掲げると、宙には黒色の魔法陣が無数に浮かび上がる。
使用したのはダークワールウィンドだが、今度は先ほどとは数が違う。
面制圧を想定した闇の波動は、機関銃さながらの弾幕を張り巡らす。
「二倍と言ったね!! ならそれ以上の対応はどうだッ!?」
魔物の意思との同調が影響したのか、彼らしからぬ怒声じみた問いかけ。
更に、弾幕を追う形でキリヤナギはリュウドを迎え撃った。
怒涛のように押し寄せる漆黒の津波にリュウドはそのまま向かってくる。
無数に奔った光刃が切り開いたのは弾幕のごく僅か。
だが、それでもなおリュウドは弾幕の荒波を穿ち、キリヤナギの眼前まで迫っている。
急所以外から朱が吹き出し、血風を纏ったまま肉薄してくる。
互いに息さえ届く距離。キリヤナギは二刀を己が最速で振う。
転瞬、剣光はぶつかり合い、とてつもない衝撃が身体を貫くと、二人の身体は宙を泳ぐ。
だが、この局面でも尚リュウドの体幹制御は常軌を逸したものだった。
身体を旋風の如く旋回させて放たれた蹴撃。
断頭台を彷彿とさせるそれを苦し紛れの形で差し出した左腕の籠手で受ける。
次の瞬間、舞い散る鉄片。それと同時に、キリヤナギの身体は宙を弾丸めいた早さで吹き飛ばされる。
白の弾丸が石柱にぶち当たって倒壊させ、白煙を立ち昇らせる。
「はぁっ……あ、ぐぅ……っ」
左腕が折れている。籠手に至っては粉々だ、ブロッキングさえ貫通してのこの威力。
なんて出鱈目な……
剣を取り落さなかったのは殆ど奇跡だ。
まただ、治癒される時間が体感時間に対して遅いと感じる。
気を込めて左腕が微かな感覚を取り戻したと思われた次の瞬間。
煙を斬り裂いた青の突風は猛然と迫りくる。
「うぉおおおおおおお!!!」
「はぁあああああああ!!!」
キリヤナギとリュウドは超高速の剣撃をぶつけ合う。
一方が力を増せば、一方もまた底を引き上げる。
両者の狭間で無数に発生する光刃が交差する。
それは刃によって彩られた死のイルミネーション。
またも両者の振るう斬撃は拮抗した。
だが、しかし、ここにきて、「剣」そのものはその天秤を少しずつ……確かな傾きを表し始めていた。
リュウドの長剣は超高速の撃ちあいの中にその刃が欠けていき幻想の如き光の乱舞の中に煌びやかな蒼の破片が入り混じらせていく。
対して、キリヤナギのイリス武器は相当強固なものらしく紫水晶の刀身にはヒビ一つ入っていない。
常人の理解を遥かに越えた凄まじい剣撃の応酬、それによる互いの動作数はピークを越えたかと思われたその瞬間。
キリヤナギは剣の柄でリュウドの顔面を殴り飛ばし、リュウドは蹴撃をキリヤナギの鳩尾にめり込ませた。
そのまま血反吐を吐いて、吹き飛ぶは青の剣士と白の騎士。

「はぁっ……はぁ……っ……時間が近づいてきてる……そろそろ決着を付けようか……ッ!」
血塗れの顔でリュウドは蒼の長剣を逆手に構える。
―リュウドは今もなお、再生能力を超える決め手に欠けたまま続く戦いの応酬を思い返し、キリヤナギとの決着を己が持つ最大の攻撃に託す。

「そう……ッ……だね……同感だ……」
キリヤナギもまた一刀を肩に担ぎ、二刀を腰だめに構えた姿勢を取る。
―奇しくもキリヤナギも同様の選択をする。
 原因は不明だが、突如リュウドとの戦いの中で再生能力はその効果を落としている。
 ならば迂闊な攻防の応酬は出来ない、やるならば、一度の攻防にかける。

両者の間で高まる力の波動。
―勝負はこの攻撃で決める。
互いにその想いがあるからこそ、小細工を全て捨て、次の攻撃へ全身全霊を込めている。
どちらが早いか、どちらが強いか。
それは、シンプルな答えだ。
全ての思考はこの最大の攻撃に向け、視界を狭め、ただ真っ直ぐ……切り開く。

『―インテルメッツォ!!!!』

咆哮と共に、リュウドの長剣から黄金の光が放出され、光条となり天を貫かんと奔る。
同時に、キリヤナギの右の大剣が縦に黒き斬光を、左の大剣が横に白き斬光を発した。
それは、通常のインテルメッツォとは異なるライトオブダークネスの性質を持った巨大な二連撃。
黄金の光条と黒白の十字架が激突し、エネルギーの余波が乱れ舞う。
最中、アナザー同士の共鳴か否か、リュウドはぶつかり合うエネルギーからキリヤナギの想いを感じた。
黒の波動からは、自身の中に飼う闇の魔獣への恐れ、命への執着、そしてそれを共に分かち歩む想い。
光の波動からは、愛する者、大切な友、信頼する仲間達への想い。
―そうか……コイツが強いのは……コイツが負けなかったのは……
思考はそこで断ち切られる。
ぶつかり合ったエネルギー同士が目の前で大爆発を引き起こし視界が遮られた。

互いの姿を覆った煙がゆっくりと晴れて行く。
「ッ……ぐっ……ぁっ……はぁ……っ!」
リュウドは苦悶の声を漏らしながら、剣を杖にして膝をついている。
対するキリヤナギは、直立したままリュウドを見据えていた。
未だ眼前に立つ倒れぬ相手、鉛のように重く動かない身体。
だが、それに猛然と反発する魂が力を与えた。
リュウドは身体に残された活力を炎の如く燃え上がらせ
立ち上がろうと力を込める、しかし
―パキン
という乾いた音が響いた。
「なっ……」
イリス武器と打ち合い限界を迎えていたためか、杖にして身体を支えていた蒼い長剣が折れる。
そのため総身に漲ろうとした力の行く先は遮断され、リュウドの身体は崩れ落ちる。
「……ははっ……っ……まだまだ……俺の、知らない……強い奴が……」
―たくさんいる。
言葉の途中で、リュウドの意識は途絶えた。

キリヤナギもまたその身体を大きく消耗している。
体力が底を尽きたのもあるが、焼けつくような傷の痛みが今なお刻まれている。
これほどの充足感は久しく感じたことがないものだ。
今現時点、体内の闇の力もまた、自身を守る力を失ったのか、心の内側はとてつもなく静かだ。
「君の―……」
何かを発しようとするが、言葉は最後まで成さず、糸の切れた人形のように崩れ落ちた。

まさに死闘。
立会人は各々が記憶する。
互いの命さえ奪いかねないこの戦いにおいて、
その全てを出しきった二人の顔にどこか満足そうな感情があったことを。


@@


暖かな光を感じ、リュウドの意識が浮上した。
はてと、自分は一体……などと考えた矢先に思考が中断する。
すぐ傍には自身を見つめる(月光花さんの特徴)白い看護服を纏った優しそうな女性の姿があった。
「こんにちは、目が覚めましたか?」
「ここは?」
リュウドは自分の周囲を見回しながらそのまま思ったとおりの疑問を口にした。
白いカーテンに複数ならぶベッド……
「聖堂です。深い傷はもう治癒しましたが、細かい傷がまだ残ってます。
しばらくは安静にしてください」
「なるほど……そっか、ありがとう」
女性に問いに対する回答と治療の礼を言いつつ、記憶を遡る。
直前にあるのはアクロポリスで治安維持部隊の総隊長を務めるキリヤナギとの死闘。
ぶつかり合った最大攻撃の余波が身体を撃ち抜き……そこで完全に記憶が飛んでしまっている。

黙り込んだままのリュウド。
それと二人という状況に居づらさを感じた女性は、心配半分、怪訝半分といった様子であった。

静かな聖堂の病室。
廊下から足音が響いてくる。現れたのは二人の男性だった。
一人は(ジンさんの特徴)茶髪を持つ中肉中背のエミルの青年。に、もう一人は(カナトさんの特徴)きっちりとセットされたダークブラウンの髪に、黒い4枚羽を持つ丹精な顔立ちのタイタニアの青年。

「お、いたいた」
「月光花さんこちらでしたか」
エミルとタイタニアの青年二人が親しげに女性に話しかける。
月光花と呼ばれた女性もまた、リュウドと二人でいた時とは違い、その表情に親しげなものを浮かべていた。

「ジン、カナト君! どうしたの……」
突然の来訪には驚いたものの、月光花は安心した様子で二人を迎える。
「本日のお弁当です。」
タイタニアの青年が可愛らしい巾着袋に包まれたお弁当を月光花に差し出す。
「あ……、ごめん。ありがとう……」
お礼を言いつつ月光花がお弁当を受け取ったところで、リュウドは口を開いた。
「……んと、誰だ?」
「あ、ごめんなさい。こちら私の友人の」
月光花の言葉を引き継ぎ、
エミルの青年が「ジンです」
タイタニアの青年が「カナトです」
と名乗った。

「お騒がせしてすみません。すぐ戻りますので……」
タイタニアの青年―カナトが気遣わしげな表情でリュウドにすぐ退出する旨を伝える。
が、リュウド自身もカナトの存在は興味を引いていた。
「黒い羽根……? アイツと同じだな……」
羽根自体はタイタニアであれば誰もが持つ。そう珍しいものではない。
ただ、カナトの羽根の色は一般的なものではなく黒い羽根である。
「アイツ?」
疑問を含んだカナトの言葉を受けつつも、リュウドただ真っ直ぐカナトを見つめるのみだ。
ただ、それもつかの間。リュウドはすぐさまハッとなり、消化しきれぬ感情を無理やりに打ち消した。
「いや、気にしないでくれ……悪かった」
軽く手を振りながら、カナトに詫びる。
対して、カナトは思案気な表情を見せ、口を開いた。
「……よろしければ。詳しく聞かせていただけませんか?」
「知り合いに羽の色が違うってだけで迫害されたやつがいて……な」
「……なるほど」
回答は端的で要領を得たものでもないが、それでも察しがついたのか、カナトはそのことを更に追求して問いかけることはしなかった。
「……カナトも、そういう経験とかあったりするのか?」
「私は、生まれも育ちもエミル界です。そのようなことはあまり……」
「そっか」
「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「悪い。俺はリュウド。グラディエイターで冒険者をやっている」

そう言うと背中を向けてしまうリュウド。
カナトは気を使って話を続けようとするが、廊下からさらに足音が響き、タイミングを逸してしまう。

足音の主―赤いマントを揺らして現れたのはキリヤナギだ。
「あれ? カナト? ジン?」
病室内に知人が集まっていたためか、キリヤナギは意外そうな顔を見せる。
「総隊長!」
「しっ、静かに」
キリヤナギの来訪に反応し大声をあげたジンだが月光花に注意され、慌てて口元を抑えた。
「……」

「リュウド君起きてる?」
「あ、はい。ついさっき起きられて……」
月光花の言葉に反応し、リュウドが起き上がってベッドに座る
キリヤナギは安心して病室に入ってきた。
「怪我大丈夫?」
「……仲間のためだ。大したことないさ」
「そっか。よかった」
ホッとした表情で息をつくキリヤナギ。
死闘を繰り広げていた相手に向けるものとは思えない柔和な態度だった。
「そっちの怪我は……大丈夫みたいだな」
「僕はすぐ治るからね。それで、もし君の都合がいいなら、今回僕に戦いを挑んだ理由を聞きたいなって思って仲間のためって?」
今回の決闘の理由それ自体は、リュウド自身、戦いが終わったら教えると言ったことだ。
相手の誠意は十分見せてもらっている以上、拒む理由はどこにもない。

「……ウォーレスハイム……ルシフェルってやつに聞いたんだ。強大な力を操ってるやつがいるって、俺の仲間も似たような力に悩まされてて、それでどうにかできる方法を知りたかった」
「ルシフェル……父と面識が?」
カナトがリュウドの口にした名に反応して口を挟む。
「やっぱり関係者なのか?」
「父です……なるほど」
「あぁ。そういう……それならいちいち戦わなくても情報を出し惜しみなんてしないのに……」
キリヤナギとカナトはそれぞれ何かを納得したような表情で頷いている。

そんな中やはり当然のように疑問となったのかジンが別の点に口を挟んだ。
「つーか。なんでそれで戦闘……?だって総隊長……」
「僕もちょうど体動かしたくて、リュウド君煽るのうまいからのせられちゃった。久しぶりに熱くなったよ」
「えぇ……」
「戦えば色々分かると思ってな。それと強そうだったからつい調子に乗ってしまった……のはあるな」
リュウドの言葉にしてやられたよと笑うキリヤナギ。
それを見てジンがなんとも言えない表情浮かべている。
「総隊長が……熱く?」
「なんか、よく分からないけど、ショッキングなのことなのか?」
「……かなり?」
これまでのキリヤナギの印象から、彼が嬉々として戦いに応じるというのがどうにもストンと落とし込めない様子だ。
「ジンはひどいなぁ……」
キリヤナギは拗ねたような表情を見せていた。
確かに、今のキリヤナギの様子からは戦う姿は微塵も想像ができないかもしれない。
しかし……
「ふーむ……。お前。相手を見誤る癖あるだろ。そういうのあんまり良くないぞ」
「そうだよ。ジンは僕を何だと思ってるのさ?」
「えぇ……何で俺責められてるの?」
思わぬ形で二人から突き上げを受けてジンがしどろもどろになる。
「分かりにくいなら、実際戦って見たらどうだ?」
「総隊長と?」
突如リュウドの出した理屈を超えた提案。
「キリヤナギと戦うのが嫌なら、俺と戦ってみるか?それでも、てっとり早く理解できると思うぞ」
「なんすか。なんでっすか?拳で分かり合う理論すか?」
「あぁ、お前もそういう方法のが分かりやすいんじゃないかと思ってな」
ジンは一瞬……未だ包帯が取れぬリュウドの姿に視線を送り……
「あんた、怪我してるんすよ?それでやる気っすか?」
「勝負はやってみなきゃ、どうなるかは分からないもんさ」
リュウドがジンの実力を軽視してる様子はない。
だが、その言葉は本気のようだ。戦いはやってみなければ分からない。
「なるほど、総隊長の言うとおりだ。あんた、煽るのは上手いじゃないっすか!」
リュウドとジンは互いに視線のみで不敵な笑みを交わす。

妙な盛り上がりを見せた二人だったが、
それは僅かな時間に過ぎなかった。
「もう! 貴方たち普通に会話してるけど無茶しすぎ!! それで余計な怪我をして余計な業務ふえるのはこっちなんだから!! そういうのは怪我しない闘技場でやってよ!!」
その場で当たり前のように語られる、暴力的な会話に耐えかねた月光花の一喝。
「っと、すみません。流石に調子に乗り過ぎた」
「えっ、ご、ごめん」
これにはリュウドも、更に釣られてキリヤナギまでも圧倒され、思わず謝ってしまう。

即応で低姿勢を見せる二人に今度は月光花がオロオロしつつ、
「えっ、えっ?すみません、ジンに言ったつもりが……」
「ちょっと待て、何で俺だけ!?というか今回戦ったの俺じゃないだろ!」
当然のようにジンは食って掛かる。
「ジンだって今から怪我人相手に戦おうとしてたじゃない!」
「余計なお世話だ!」
さっきまでの話はどこへやら、今度はジンと月光花の売り言葉に買い言葉の応酬が始まってしまう。

リュウドはジンと月光花を交互に見て、なにかピンと来るものがあったのか、
「おいおいさすがに彼女にそこまでひどい言い草はないんじゃないの?多分だが、お前のことも心配して言ったんだと思うぞ」
まるでフォローにならない言葉を放った。
無論それは場をフォローすることはできず、むしろ余計に場を混乱させた。
「は、彼女じゃないすよ!」
「なんでこんな奴と!」

そのせいで余計にモメる二人。


ジンと月光花の言い争いはしばらく終わりそうにないと踏み、
キリヤナギがリュウドに残る疑問を投げかける。
「とりあえず聞きたいんだけど、ウォレス様に会ったの?」
「あぁ、なかなか話のわかる良い人だった」
「父らしい……」
うんうんと頷くリュウドを見て、カナトは肩を竦めた。
横ではキリヤナギが凹んでいるのが見える。
キリヤナギの面倒を見ているのに、敢えてけしかける意地の悪さ。
食えない所は相変わらずだ。

「? どうかしたか?」
「どうかするもしないも、キリヤナギの力を制御できるようにしたのは父です、全く……」
「な……まじかよ」
これには流石にリュウドも絶句していた。
「直接説明してくれたらいいのに……」
「文句を言いに行っても、キリヤナギの事だから知らないとごまかすだろうな、私から文句は言おう」
「ははは、こりゃ……上手く誘導されちゃったかー……」

うなだれるキリヤナギの後ろから、また新しい影。
ヴァルサスが顔を出す。

うなだれるキリヤナギの後ろから、また新しい影。
ヴァルサスが顔を出す。
「お、リュウドいたか!」
「ヴァル! 来たの?」
「おう、お前すげぇな!キーリをあそこまで追い詰めるなんて、めったにいねーぞ。やるじゃねえか!」
驚くキリヤナギをよそに、ヴァルサスは豪放な笑みを浮かべながらリュウドに話しかける。
「残念ながら敵わなかったけどな、でも部隊長にそう言われたら悪い気はしないな……」
リュウドもその賛辞を素直に受け取る。確かに負けはしたが、良い勝負だったと思う。

「そうかい? なら、うちに来ないか? 治安維持グラディエイター部隊。対人をメインにしてる自治組織だ。お前なら俺を超える幹部にもなれると思うぜ! いいだろ? キーリ」
「そこまで言って僕に聞くの? うーん。ウォレス様の息がかかってるみたいに誤解されないよう、ヴァルがちゃんとしてくれるならいいかなぁ……」
「お前昔からそういうのばっか気にするよな」
「ヴァルが無頓着すぎるんだよ。なんでも肉体言語で語れると思わないでよね」
勢いで語るヴァルサスに対して精神論を語り諭すキリヤナギも珍しい。

そうして、キリヤナギとヴァルサスがやんややんやモメていたら、もう1人黒装束のアークタイタニアが現れる。

この場ではリュウド以外が知る人物。アークタイタニア・カーディナルのシュトラールである。
「キリヤナギが来たと聞いて見に来たら、お前もかヴァルサス」
「げ、兄貴……」
嘆息するシュトラールを見て、分かりやすい狼狽を見せるヴァルサス。
「一週間は安静にしろと言った筈だが? ここで何をしている?」
ギロリと威圧感のある視線がヴァルサスを射抜く。
「シュトー、聞いてよ。ヴァルがリュウド君を部隊に入れたいって、怪我治ったら闘うって」
「ちくんな!!」

「ほぅ? お前、一か月かかる怪我を一週間に縮めてやったのに、また繰り返す気か? 私と同じ、部隊を率いる部隊長を名乗りながら、人材不足であるこの聖堂でまた時間を取らせる気か? しかも、任務ではなく訓練中に怪我しておきながらいいご身分だな」
凄まじい威圧感でヴァルサスを睨むシュトラールの声音には絶対零度の冷気が籠っている。
「ごご、ごめん。兄貴。気をつけるから、まじ、許して、ください」
豪放なヴァルサスがイメージに似つかわしくない平身低頭な態度を見せたところで、ようやくシュトラールから発せられる冷気が納まる。
「反省しているなら、安静にしろ。愚弟が」
「は、はい」

仲睦まじい兄弟の交流を終えたシュトラールが、リュウドに歩み寄りひざまづいて目を合わせる。
「私の弟が失礼したが、奴もそれなりに人を見る目がある剣士だ。リュウドが構わないなら、私も君を歓迎しよう」
「えーっと……、お前は?」
リュウドにとっては立て続けの来客となったため、整理の意味も込めて問いかける。
「私はシュトラール。ヴァルサスの兄であり、キリヤナギとはもうかなり長い付き合いとなるアークタイタニアだ。今日は本部からキリヤナギが全力で戦ったと聞いて様子を見に来た」
「ふむふむ、なるほど」
「キリヤナギが、普段通りに戦ったならば、私の出る幕はないが、今回は、彼を解放したと聞いたからな」
「彼……?」
「キリヤナギの中にある彼の解放は、その性質上相手の魔力を吸収する。モンスターが相手の場合、以前から確認されていた事案だが、人にも影響があるのではないかと案じてな」
なるほど。
確かにシュトラールの言う通り、キリヤナギが見せた闇の力は未知の部分の多いものだった。
リュウドにとって、最初の目的が第一だったのもあり、それさえ確認できればそれで良かったのだが……その後の影響のことまではまるで考慮出来ていなかった。

「じつは、あの状態で闘うのはほぼ初めてだったんだ。あと、ルチフェロを掛け合わせたのも初めてで……」
「全力であったのは間違いないが、キリヤナギの魔力は人に毒となる可能性を秘めている。放置して後から影響がでては遅い」
「大丈夫かな?」
キリヤナギは心底からリュウドの怪我を心配しているようだ。
戦いの際に微かに見せた闘志と今他人の痛みを自分のことのように心底悲しむ感受性……、どちらも両面がキリヤナギの本質なのだろうなとリュウドは感じた。
「治癒された怪我をみせてくれないか?」
シュトラールに促されて包帯を取ってみせると傷そのものは塞がってはいるが、酷く跡が残っている。

「すみません。今の私では、それが精一杯で」
キリヤナギの空気が伝播したのか申し訳なさそうに月光花が顔を伏せる。
「いや、これは違う。キリヤナギの人外の魔力が光属性の治癒を阻んでいるだけだ」
「え……」
「キリヤナギ、お前はもう対人でアレを呼び出すべきではない」
厳しい声音のシュトラール。
「うー、ごめんね。リュウド君」
責任を感じたのだろうか、それとも申し訳なさが極まったのかキリヤナギが詫びる。

「闇属性ならば、光属性が有効なのでは……?」
「普通ならそうだ。だがパーティザンの本来の属性を考えて見るといい」
「!?….…火?」
カナトの感じた疑問に、簡潔に返すシュトラール。
それを引き継ぎ、複雑そうな表情でキリヤナギが言葉を引き継ぐ。
「そうなんだよね……」
シュトラールが更に説明を続ける。
「闇を纏う火。放つ魔力は闇だが、本質は火属性だ。故に光属性を寄せ付けない性質がある。こうなると
ウァテス系の我々ではどうにも出来ない。風の治癒魔法など、存在しないからな」
「どうしよう。治るかな……」
「私が見る限りでは、必要最低限の治癒は終わっている。受けた余波は経験上、ある程度時間経てば霧散するとは思うが……」
理屈は落とし込みにくいが、シュトラールの話の大筋で、キリヤナギの隠された力による攻撃は治療に手間がかかることは良く分かった。
回復魔法の類で早急には治癒できないが、つまるところ
「ごちゃごちゃ言ってるけど、ほっとけば治るんだろ?」
リュウドの言っていることは暴論だった。
暴論なのだが……
「治癒魔法では時間がかかりますが、自然治癒は人間の本来の力です。魔力の影響は受けません。そちらのがいいでしょう」
全く的外れと言う訳でもないようだ。
「ならもういいじゃないか」
「ごめんね。リュウド君……」
「俺から仕掛けたんだ。そんなに気にするなよ」
再三詫びようとするキリヤナギをリュウドが制した。


「火って事は、総隊長の弱点は風?」
ジンはシュトラールの説明を聞いて、どうやら別のことを考えていたようだ。
「実はそうでも無くて、闇で防御してるから、属性の影響は受けないんだ」
キリヤナギは律儀に回答するが。
「えぇっ!そんなのどうやって倒すんすか……?」
「素人意見だけど、銀弾にさ。風の精霊石の粉末も詰めてみたらどうだろう?」
「ふむぅ……そんなに簡単にできるか微妙っすね。属性弾って意外と作るの難しいんすよ」
妙な話で盛り上がり始めた。
頭の中でキリヤナギの攻略法を模索するジンとそれに思いつきで提案をするリュウド
キリヤナギの笑顔が若干ながら苦いものに変わっていく。
……見かねたグランジがため息をつき
「お前等何て馬鹿な話をしてるんだ……」
キリヤナギの顔にぱーっと明るいものが広がる。
やはり持つべきものは友だ。普段無愛想ながらも自分のことを心配してくれて__
「そんな難しく考えなくても下から不意を突けば勝てるぞ」
___たら良かったのに……
流れをぶった切りグランジがキリヤナギ攻略法の最適解を口にした。
「おー!」「なるほど、やっぱりシンプルが一番だな」
ジンとリュウドは各々拍手や手を打ってグランジの案に賛辞を贈る。
グランジは涼しい顔をしている。
もしかして、そのしたり顔は、してやったものだろうとでも言いたいのだろうか……
キリヤナギが一瞬呆としてから、正気に戻ると、
「いや、ちょっとみんな、ひどいよ!僕の攻略法をゲーム的に考えるのはやめてよーッ!」
半泣き気味の叫びが病室内に響き渡った。


「さて、悪い。そろそろ戻るとするよ」
リュウドは唐突に切りだした。
「ん、もう行くのか?」
「あぁ、仲間に何も言ってないままここに来てるからな」
対して、名残惜しげなヴァルサス。
「部隊の推薦のことはありがたいけどさ。多分、俺そう言うの向いてないから、悪いな。仲間と冒険してる方が性にあってるんだ」
「ちぇーっ、残念だな。まぁ、しゃーねぇか。無理強いはできねぇ」
「その怪我が治った時は再戦に行くさ」
「本当か。忘れるんじゃねぇぞ!?俺もそれまでにすげぇ修行しとくからよ……勿論怪我とかしないように注意してヤリマスヨ」
シュトラールの冷気の籠った視線を浴びて最後の方は声が小さくなっていくヴァルサス。
「勝手してすまない。治療ありがとうな」
続けて、シュトラールと月光花にも治療途中ですぐ勝手なことをすることを詫びつつ、礼を言う。
「本当はまだ安静してなきゃいけないんですよ……でも、あなたの事を叱る人は別にいる気がしますからそれはその人に任せます。それとごめんなさい、完全に治療しきれなくて……」
「もし何か身体に違和感を覚えたらすぐ来てくれ。対応は早急に行おう」
「重ね重ねありがたい。でもこれだけ治してくれたら大丈夫さ」
リュウドと目が合ったカナトは思案気にし、
「父には私からキツく言っておこう。あなたには随分回りくどいことをさせたようだ」
「いや、気にしなくて良いって。俺はちゃんと収穫を得てるんだから問題ないさ」
どこまでも真面目なカナトに、リュウドは笑いかける。
「お前ともいつか戦ってみたいな」
「望むところっすよ。あんたが万全の時なら何時だって相手になってやるっす」
リュウドとジンは不敵に笑みを交し合った。
そして、最後にキリヤナギに声をかけるリュウド。
「悪い。いきなり押しかけてさ」
「あははは。本当……最初はびっくりしたよ」
キリヤナギは苦笑しながら、リュウドに返答する。
「でもおかげで色々収穫があった」
「あの戦いで望んだものを見つけられたら何よりだよ」
「無理矢理戦わせたし、借りになっちまったな。何かの機会に返すよ。キリヤナギに何か困ったことあったら力になる」
「うん。こちらこそ、何かあったら声をかけてよ。僕が力になれることは頑張るつもり」
互いにそう伝えると……
リュウドは片手をひらひらと振りながら病室を後にしていった。


@@

―街角にて
「よぉ、収穫はあったか?」
すれ違いざまリュウドに声をかけてきた大柄な男性のタイタイニア。
「あぁ、あった。色々とな。ありがとうキリヤナギのこと教えてくれて」
足を止めてリュウドはその問いに答えた。
「ほほう。何か掴んだって顔してんな?キリヤナギのアレは俺が制御していたことは聞いたんだろ?」
顎に手をやりつつそのタイタニアの男は笑う。
「まぁな。でも聞いただけでどうにかなる問題でもないんだろ?
キリヤナギと戦わけなければ分からないことがあった。
だから、そうするようにけしかけた。そういうことだろ」
「よく分かってるじゃないか。
まぁ、後は俺からお前に言葉で伝えられるのはこれだけだ、
精々死なないように頑張れ。
おせっかいの果てに死んだら、お前のやってることは単なる有難迷惑でしかない」
笑いながらそう言うタイタニアの男は視線の中に一瞬だけとてつもない鋭さを見せたのをリュウドは見逃さなかった。
「わかってるさ。それは重々にな」
肩を竦めてリュウドは頷き、そして不敵な笑みを浮かべて返して見せた。


END
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本編 | 【2018-10-16(Tue) 20:00:00】 | Trackback(-) | Comments:(1)
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2018-10-17 水 22:27:40 | | # [ 編集]
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