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Crossing love

著:結城隆臣さん

あらすじ
まもなく結婚記念日を迎えるキリヤナギとメリエ。
メリエは、キリヤナギがまだリングを率いていた時代に知り合った女性であり、将来を誓い合った妻だ。
しかし彼女は、自身の立場とその力からキリヤナギの元から離れ今だ別の場所で暮らしている。
そんな彼女の恋しさに耐えられないキリヤナギは、今日もまた彼女の名を呼んでいた。

参考
キリヤナギ総隊長の話(前編)
キリヤナギ総隊長の話(後編)


 
Crossing love

そうしてメリエは何も言わずに僕の部屋から出て行ってしまった。
引き留める言葉も思い浮かばず、ただその場に立ち尽くす。



分っていた。

メリエとは立場や能力の性質から常に一緒にいられる関係ではないことは。
だからこそ彼女を繋ぎとめておきたくて結婚を申し込んだ。
それで安心していた。
大丈夫だと思っていた。
けれど、夫婦になったらなったで、より傍にいて欲しいと思うようになってしまった。

無理なことは分っている。
分っていても心が止まらない。



それに、いつも寂しい思いをしているのは自分だけのような気がして辛かった。

久しぶりに逢えた時喜んでいる素振りもなければ、別れの時に寂しい素振りを見せることもない。
愛を語ることもなければ、手を繋いだり口づけを交すこともない。

自分だけ彼女に訴えて、彼女からは一切何もない。
求めれば応えてくれるけれど、いつも自分からだけ。

一方通行な気がしてもやもやする。
その気持ちが余計に寂しさを増幅させて行く。



そして、ついに声にしてしまった。

「メリエは寂しくないの?」



一瞬見せた表情はいったい何を語りかけていたのだろうか。
唇を閉ざしこちらに投げかけてきた眼差しは何を訴えていたのだろうか。

僕にはどうしても分らなかった。











ことあるごとに『メリエ』『メリエ』と彼は呼んだ。

お互いに忙しい身であり、まして相反する能力を所持している我々としては、
会うことが難しいのは結婚する前から分かりきっていたことではないかと思う。

彼の事は嫌いではない。
嫌いではないし、彼が自分を好いてくれていることも嫌ではない。
お互いの気持ちを証明する何かが欲しいと、彼が結婚を申し出てくれた時も嬉しかったし、ありがたかった。

しかし、その結果が今のこれでは、少し頭を抱えてしまう。

彼の事は好きだ。愛しているのかと聞かれればそうだと答えられる。
会えない間はもちろん寂しさはあるし、側にいたいと思う時もある。
けれど、どうしようもない立場にいることも事実で、自分の気持ちを優先することはなかなか難しい。

そんな中で彼は自分に向けてこう言った。


『メリエは寂しくないの?』


言いたいことを言うだけ言って、さぞ自分だけがそう思っているかのような表情を浮かべて。

分かりきっていたことだ。
お互いに我慢しようと決めたことだ。
なのに……。



ホームへと帰り、自室で1人。
結婚指輪を転がしながらつぶやく。

「――寂しくない訳があるか……」


END


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頂き物 | 【2017-05-18(Thu) 21:00:00】 | Trackback(-) | Comments:(0)
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