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Heart*Lost:第十五話
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Heart*Lost
第十五話 JKな奴ら

第一章
第一話:終わりの始まり
第二話:序章
第三話:失うもの
第四話:夢への入口
第二章
第五話:孤独からの再動
第六話:戦いの絆
第七話:覚悟への道
第八話:凍てついた心
第三章
第九話:目覚めの対価
第十話:矛盾を得た安息
第十一話:王の洗礼
第十二話:救済の灯
第十三話:解放への軌跡
第十四話:罪の意味


 マルクト船着場をでた8人は、待ち伏せしていたモンスターの大群へ遭遇する。
襲いかかってくる敵に対し、カナトとカルネオルが前にでて応戦。
セオが属性を書き換え、ぬえが”フォトンランチャー”を連射する。

そんな四人の動きをみたリゼロッテが、ジンにウィンクを寄越すと、

「やるわよ! さがんなさい!」

高らかな声が響く、ジンもつられて銃を構えた。
途端タイタニアの二人が散開。
ホークアイの二人がスペシャルアビリティを同時に唱え、放った。

「”インパクトショット!!”」
「”テンペスト!!”」

爆音。
白煙が登った直後、リゼロッテの放った鉄の雨が降り注いだ。
大量に殲滅された敵の群れだが、あぶれた敵は、リアスが”刹那”で落とす。

「”テンペスト”じゃないのぉ!? わかってないわねぇ!」
「弾もったいないっすよー!!」

背中を向ける彼女は、同時うちをしたかったらしい。
気持ちは分かるが、ボス戦までとっておこう。

「……いますね」

セオの小さな言葉に、皆が身構えた。
いやな気をぞくぞくと感じる。
人間の本能がやばいと言っているのだ。
ディメンションサウスダンジョンの中央に存在したのは、白と黒二色の翼を持つ悪魔。
取り巻きを8体引き連れ徘徊している。

皆が唾をのんだ。
カナトもこれには驚き、ジンはジンで、表情が固まる。

「どうした?」
「わりぃ、ちょっとな」

「あら、怖じ気づいたの? カワイイ」
「違うっすよ!武者震いいなだけ!」

訂正はしたが間違いではない。
初めてではないことはわかるのに、心が戦うことを嫌がっている。
以前は逃げていたはずだ。トラウマの変な魔法もくらった。
その魔法のおかげで、過去の記憶が脳裏によぎり、気分が悪くなる。
身体的には無害だが、心そのものに傷を与えるとは、悪魔ベルゼビュートに相応しい魔法なのかもしれない。

しかし、負けてはいけない。
ある意味、自分自身を超える戦いになるだろう。
ジンは息をのみ、光砲・エンジェルハイロゥに弾丸を装填。構えた。
リゼロッテはそんなジンに微笑すると、色違いのエンジェルハイロゥを構え、こちらも装填。

「ふふ、カナト君、大分凛々しくなったわね。もう君付けは子供っぽすぎるかしら?」
「……なんすかリゼさん」
「ジン君も、もう一回り大きくならないとね」

ふとカナトを見ると、落ち着き真っ直ぐに敵を見つめている。
いつでも前に出られる。そんな姿勢だ。
物陰に隠れ、皆がタイミングを伺う。セオが時刻を確認し、杖を振るった直後。

カルネオルと、カナトが前にでた。
途端取り巻きが散開し、二人へ総攻撃をかけようとする。
しかし飛行能力のある二人は、向かってきた取り巻きを引きつけ、二手に分かれる。
真っ直ぐに空いた本体への道は銃にとっては好都合だ。
ホークアイの二人が並び、スコープを覗く。
通った視線と開けた空間。
初手は貰った。

「「”テンペスト!!”」」

第一弾幕が、リゼロッテの銃から発射。
遅れてジンも打ち出し、鉄の雨がベルゼビュートへと取り巻きへ降り注いだ。
しかし、敵は”エセリアルボディ”を唱え、防御。
七色の球体を発生させる。
渦をまくそれは、前方の視界を奪い。ホークアイの二人が下がった。

入れ違いに、セオとぬえが前に出る。

「”アドバンスドアビリティ!!” 大尉! やっちゃってー!!」
「”アンプリー、リメイクエレメント!”ウィンドエクスプロージョン!!”」

風圧が襲いかかる。
ジンとリゼロッテは、資材の物陰に隠れ、ぬえは”リフレクションウォール”で防御した。
そして、

「”ディレイアウト!”、“ウィンドエクスプロージョン!!”」

クールタイムカットからの連射。
爆音がとめどなく響きだし、ジンとリゼロッテは戦慄する。
しかし敵は、度重なる風圧を物ともせず、突進。
下がって居たカナトとカルネオルが押し込み、ジンとリゼロッテが前に出る。
”インパクトショット”に”ミラージュ”、”フォトンランチャー”から、”エレメントメモリー”、更にその後ろには、楽器を奏でる彼がいる。

「”ゴスペル!!”」

癒しの空間が展開した。
加護を得た空間は、彼らに新たな防御を与え、様々な力を与える。

間を置かない総攻撃を食らう敵だが、取り巻きは倒されつつも、ベルゼビュート本体は今だ健在だ。
表情ひとつ変えず、攻撃の反動を受けている。
何かがおかしいと誰もが思っていた。
しかし、自分達は間違いなく敵へ攻撃をしている。

それは目に見える事実なのに、この不安はなんなのだろう。
カルネオルとカナトが、近接攻撃を放つ中、ぬえが魔法を防ぐため、”ディスペルフィールド”を配る。
魔法の防御を手に入れたカルネオルは、大きく空中から勢いをつけ、ベルゼビュートの左胸に、剣を突き立てた。
ざっくりと食い込んだ剣だが、ゆっくりと顔を上げ敵に、皆が固まる。

途端、圧力がきた。
全員が一気に後方へ吹き飛ばされ、スペルユーザー系の彼らが喉をやられる。
かかっていたバリアが全て破壊され、取り巻きの魔法が破裂。
カナトとカルネオルも床へ叩きつけられた。
抑えられていた分身達が解放され、一気にこちらへ流れ込む。
ジンとリゼロッテが、即座にまえにでて応戦。
”テンペストショット”を放つが、ベルゼビュートが分身達へ”エセリアルボディ”を唱え、弾丸が通らない。

足元から爆発した魔法に、二人は焼けるような痛みを感じ、膝をついた。

まずい。
沈黙の解けたセオとコトラが、即座に援護を入れてくる。
カナトも起き上がり、分身達へ”イクスパンジアーム”を加えるが、魔法を唱え始めた敵にハッとする。
何かの圧力をくらい、カナトが床へ叩きつけられた。

途端コトラが何かを察す。

「カナトさんを! 今すぐ引かせてください!」

何が起こっているのかは分からない。
カナトはもう起き上がり、次の攻撃に入っている。しかし、ジンは気づいた。
ひどく疲れている。
アイアンサウス軍の兵器テストの時に、カロンから指摘された事、
カナトは自分が疲労しているのを隠していた。
いや、恐らく本人は目の前の敵へ集中し気づかないのだろう。
このままでは、倒れてしまう。

だが、この周辺にはコトラの治癒空間があるはずだ。
怪我を治すだけではなく、疲労や消耗まで回復させる空間。
そんな加護がある場所で何故あそこまで疲れているのか。

「戻ってこい! カナト!」

聞こえていない。
”スタイルチェンジ”と”神の加護”、素手の”ジョーカー”も唱え、カナトはがむしゃらに、分身達のバリアを壊し続ける。
ジンが叫んでも、魔法の炸裂音や銃声にかき消され聞こえないのだ。
しかしそれでも、皆が必死で、ぬえはバリアを掛け直しコトラも支援をやりなおすが、苦渋の表情が揺るがない。
意を決する思いで、ジンがスコープを覗くと、
カナトが最後にベルゼビュート本体へ”イクスパンジアーム”をいれるところだった。
それを入れれば、カナトの一通りの仕事が終わる。
冷静になると思った。
だから、すぐにおわれと思い引き金を絞った。
が、勢いを付けたカナトに向けベルゼビュートが詠唱、再び圧力を放ちカナトを吹き飛ばした。
また、闇の魔法陣が出現し、吹き飛ばされたカナトへ放たれる。

その流れは、一瞬だった。
ジンが引き金を引く前に、カナトの左胸へ矢が突き刺さる。
反動を受け、そのままカナトは壁に杭打ちとなった。

「おい……!」

無害な筈だ。
あの時はトラウマを呼び起こすだけで、生命に影響はない。

突き立てられた矢が消え、カナトが床へゆっくりと堕ちる。
黒の羽が美しく舞い散り、優雅に、静かに、カナトは堕ちた。

ジンは武器を捨て駆け出したが、リゼロッテに腕をつかまれる。

「なに――」
「馬鹿、おこしてくんのよ!」

リザレクションポーションを叩きつけ、リゼロッテはジンの背中を押した。
近寄ってくるブロックスは、リアスが止めてくれて、ジンは倒れたカナトの元へ走る。

自分は今何をしているんだろう。
なんでこんなにも必死になっているのだろう。
どうしてこんなにも悔しいのだろう。
それ以前に、なんで自分はこんなにも弱いのか。
そう思い、ジンが視線を移した時、ベルゼビュートのターゲットが変わっていない事に気づいた。
倒れたカナトに向けて、さらにもう一本の黒の矢を放つ。

やめろ。
ジンは何も考えず、そこへと飛び込んだ。



ピアノが響く花畑だった。
夜の月が輝く美しい場所。
目の前には黒羽の彼が背中を向けてピアノを引いている。
懐かしい。
この空気を、自分は知っている。
早く彼を気づかせなければ行けない。
帰る場所があると、今すぐ帰ろうと、

そう思い、ジンが歩を進めるとどこからともなく、大男が視界へ入った。
銀髪にボリュームのある髪。
長身のがたいのある男だ、背中には銀のふさふさした尻尾のようなものがついている。

「お前は、なんだ?」

歳上の声だ。
低くも高くもない。
ピアノの演奏だけがある空間。
そこに、ジンと大男が向き合う。

「お前は何なんだ?」

また、問われた。

「な、何が……?」

わからない。
何を聞かれているのだろう。

「……何故、お前なんだ?」

意味がわからない。
何も話していないのに失望された発言に思わず息が詰まる。

「何の話っすか? 訳わかんねぇっすよ」
「カナトが探していた。だからお前も呼んだ。だが、まだ早すぎたみたいだ」
「だから、なにがだよ!?」
「お前は、ここにいるべきではない。カナトは俺がなんとかする。起きるまでなんとかしろ」
「は?」

大男が腕を掴み向き合った直後、頬に衝撃がきた。

途端現実に引き戻され、ジンはサウスダンジョンにて目を覚ます。
脇にはカナトが倒れ、自分も気絶していたのか。

「”ジン! 応答してくれ!”」

セオの必死の呼びかけに、思わず焦る。
ミュート状態を解除すると、爆発音を背後にセオが安心した様子を聞かせてくれた。

「”よかった。目を覚ましましたね”」
「わりぃ、気絶してた」
「”とにかく、カナトさんを起こしてください。敵にバリアを貼られたら、今度こそ防ぎきれない”」

「”しかし、セオ大尉。カナトさんには”リストレクトリバース”がかかっています。解除されるまでは戦わせるのは危険です”」
「”リストレクト?”」

「”軽い短時間の呪いです。治癒系の魔法を一切受け付けなくなる呪い。1時間ほどで解除されますが、治癒が出来ないため危険となります”」

酷く疲れていたのはそのせいか。
コトラの助言に、セオはぐっと唇を噛む。
援軍がくるまで凌ぐしかないか。

「仕方が無い。ジンさんは、カナトさんの護衛として安全な場所で待機して下さい」
「”大丈夫かよ”」
「みくびらないでください。やります」

強がっては見たが、やはり現在は劣勢だ。
ぬえの”ディスペルフィールド”のおかげでなんとかもってはいるが、次は誰に呪いがかかるか分からない。
一人ずつ脱落して行くのはなんとしても避けなければいけない。
しかし、それでも敵は強い。

流石のカルネオルも剣を振り続けた疲れが見えてきている。
リアスが”ヴェノムブラスト”で援護をしているが、リアスは翼がなく機動力が劣るため、リゼロッテが、安易に引き金を引けない。
劣勢、そして不利だ。
そしてセオもまた、四属性を扱うアストラリスト。
ベルゼビュート本体は光属性だが、分身は闇属性だ。よってセオは、取り巻きを倒せない。
最大火力を持つ自分が、一番厄介な敵を相手に出来ない。屈辱だ。

「セオさん。皆さん消耗しています。ここは――」
「ここで引いても後ろからやられます。持ちこたえなければ」
「マルクトまで逃げれば時間を稼げるはずです」
「最悪、鍵で撤退します。それまではギリギリ持たせてください」
「!?」
「カナトさんが起きれば、勝機はあります。僕は彼らを信じたい。きっともどってきます」
「……わかりました」
「念のため、全員、撤退の準備を、時間を稼ぎましょう」

「「「”了解”」」」

リゼロッテが笑った。
弾丸が半分を切り、どこまでもつか分からない。
だが、最後までやると強く思う。

飛んでくる魔法は広範囲におよび、ぬえが”ディスペルフィールド”を何度も掛け直してくれる。
自身にも”オーバーワーク”を唱え、さらに”ソリッドオーラ”に”ディバインバリア ”、”ディスペルフィールド”も配る。
彼女がいなければ、今の自分達はもう倒れていただろう。
”リストレクトリバース''は、”ソリッドオーラか”、”リフレクション”で防げる。
やってもらうしかない。

「カルネ君! 敵に.”プレッシャー”を、リアスさん!、一度下がってください!」
「あら、私の出番?」
「全力でお願いします……!」

セオのはっきりした言葉に、リゼロッテが答える。
二人が取り出したのはイリスカード。
倒しきれなくても、削るだけ削って、後に繋げたい。
ランカーの意地を見せる時だ。

「イリス、アサルトエンハンス!!

「イリス、スペルエンハンス!!」

高い音を立てカードが粉砕。
二人の心に想いの力が宿る。
リゼロッテが、”オーバーレンジ”を唱えた時、後ろのコトラが”ラウズボディ”と”ラウズメンタル”をかけた。
そして、

「”デフィート!!”」

キンッ、と鉄槌が堕ちる。
敵の防御をダウンさせる範囲魔法。
これならいける。

「いきます!」

リアスが”ヴェノムブラスト”を詠唱。
紫の風塵が吹き飛び、直後に退避する。

「”ホークアイ”、”サーチウィーク!”……”テンペスト!!”」

連射される銃撃音が響く。
更に、

「”ミラージュ!!”」

分散された弾丸の雨に、さらに追撃が入る。
分身体の着ていた衣服がズタズタになって行くのを見送り、叫んだ。

「Hellfire!!」

着弾した弾丸の全てが破裂。
視界が真っ白になり敵が紛れた。
その中で、セオはレッドルナを掲げて叫ぶ。

「”アンプリー! リメインエレメント! ウィンドエクスプロージョン!!”」

土埃が一気に開け、

「”エレメントレイン!!”」

天空から星が降り注いだ。
分身体は一瞬で全滅、本体は星の直撃を喰らい再び土埃へ埋もれる。
降り注いだ星で床はボコボコになり、モンスターは逃げ出した。

沈黙がくる。
終わったのかと思った。
援軍が来るまでに倒せたのなら、それでもいい。
しかし、土埃が晴れたそこには何もいない。
ボスモンスターは倒すとチリになるので倒せたのかと、息をついた時、

後ろから、黒い影を見た。
セオがぞっとして下がるが遅い、どんという圧力と共に、バリアが全て吹き飛んだ。
途端展開したのは”メガダークブレイズ”。
セオ、コトラ、ぬえ、リゼロッテが直撃を食らい、膝をつく。

だめだ。

現れた敵は、再召喚した取り巻きに”エセリアルボディ”を掛けさせる。
床へ倒れたセオは、辛うじて起き上がるものの、目の前にきたベルゼビュートの掌に驚いた。
気づいたときには、パシンと言う音共に弾き飛ばされ床へ叩きつけられる。

その中でセオは、目の前のベルゼビュートが闇の力をあつめだしているのを見ていた。
沈黙を喰らい魔法が使えない。
コトラもまた気絶していて動けない。
また自分も防御魔法はオーラしか持ち合わせていない。
マルチコンディションを飲み、セオはなんとか全員へ、”ウォーターオーラ”をかける。
これでなんとか、耐えて欲しい。
耐えてくれ。
そう願い、セオは祈った。

闇の力を持った球体が手放されようとしたその時、

「やれ! カナト!!」

びゅんと黒い影が上空を飛んだ。
現れた影は大剣を軸に体をひねり、一気に振り下ろす。

「”イクスパンジアーム!!”」

敵の防御の全てが砕けた。
はっとして振り向くと、そこには大隊が集結しており、セオが三人を無理やり伏せさせる。

「斉射!!」

後ろから、ホークアイ部隊の弾幕が放たれる。浴びせられる弾幕に、ベルゼビュートは突撃が出来ず停止した。
さらに後ろから、アストラリスト達の”エレメントメモリー”が打ち込まれ、追撃。
爆音が響きだし、四人は脇へ退避。
本体と合流を果たした。

「遅くなってすまない。助かったよ、セオ君」
「いえ、ありがとうございます」

ホライゾン隊が到着したのだ。
ジンは隊列に参加し、カナトはバリア破壊に向かう。
カーディナルの彼らと合流したセオは、自分も隊列へ参加。
”エレメントメモリー”を打ち込む。

「合流したなら、連絡ぐらいしなさいよ、バカ!」
「は!? バカはないっすよ。リゼさん!?」

「報告不備ですね。減俸にでもしましょうか」
「ちょ、冗談じゃないっすよ!?」

冗談のつもりらしいが、セオが言うと冗談に聞こえない。
マジなのだろうか。不安にもなる。

「とにかく、終わらせてみんなで帰ろうか」

ホライゾンの言葉に皆がうなずいた。
終わるのだ。
この戦いがようやく終わる。
そう思ったとき、ジンの中に様々なものが戻ってきた。
サウスダンジョンをでた後、どうして、何故同居しているのかという記憶。想い、感情。
全てがすっと染み込み、納得する。

ありがとう。

「いくぜ! カナ!」
「弱点は額と左胸、私は額を狙う。外すなよ、ジン!」
「みくびんなよ!」

弾幕が止まる。
取り巻きが消え、ボロボロになったベルゼビュートは、上からきたカナトを目線で追い、上をむいた。
しかしカナトはそのまま振り下ろす。

「”ジョーカー!!”」
「”インパクトショット!!”」

同時、放たれた弾丸が、敵の左胸に直撃。
黒い闇に包まれた。
カナトが退却し、その場を去ったとき、ベルゼビュートは黒い霧になり消滅。
ホライゾンが連れてきた大隊に、歓声が起こった。




崩壊するかに思えたダンジョンだったが、結局消滅はせずディメンションダンジョンは半永久的に存在している事が証明された。
治安維持部隊は予定通り、行方不明者の捜索を行い、約数名の冒険者を救助する。

ジンとカナトは、再びマルクト船着場を見に来たが、結局また来ようということになり出口へと戻った。
そこで様子を見に来てくれたらしいカロンと顔を合わせ、貸りていた雑誌やビデオの事を思いださされた。

そんな戦いが終わり、ジンは全ての記憶を取り戻すに至る。
様々な事があり、当たり前の日常が当たり前にもすぎていった。

そうして、季節は春。
寒かった季節はようやく終わりを告げ、風に流された桜の花びらがが舞い散っている。
早いものだ。
見慣れた風景でもあるが、何故か感涙深くも思える。

ギルド元宮からでた青年は、一人。
溜息を落とした。

「ジン!」

名を呼ばれ、顔をあげる。
そこには青髪にワンピースをきた彼女がいて、思わず表情がゆるんだ。

「お疲れ様」
「あぁ、サンキュ、ゲッカ」

荷物を持ってくれた彼女は、浮かない表情を浮かべるジンに首を傾げる。
今日はジンがランカーの任期満了ため、その為の手続きに訪れたのだ。

「どうしたの?」

ジンは、最後まで悩んでいた。
任期満了し、脱退か、残るか。
居心地が悪かったジンはの選択は、本来、あってないようなものだったが、少し状況が変わった。

「カナト君ー!! そんな所にいないで、早く!」

ジンがはっとして、振り返る。
すると、元宮の雨除けに座る、アークタイタニアがいた。
優雅に座る彼は、つまらなさそうにこちらをみている。
月光花に呼ばれ、カナトはふんわりと飛び立つとゆっくりジンの前へ降り立った。

「帰るぞ」
「は?」

何も言わずすり抜ける。
思わず拍子が抜けた。
最後まで悩み、伝え損ねた結論を、彼はききもしない。

「まてよ。カナト!」
「興味はない」
「へ?」
「同じだからな」

言われた言葉の意味がよくわからなかった。
しかし、月光花が楽しそうに覗きこんでくる。

「よかったね」

あぁ、そうか。
ジンは、カナトに全てを許された。
どちらでも同じであり、変わらない。
何をしても、何が変わっても、共に歩み続ける事を許された。

「そっか」
「……色々と便利だと分かったからな」
「なんだよそれ!」

「いいじゃんいいじゃん! 二人はずっと一緒でしょう! にぎやかで嬉しい!」

確かにその通りか。
一緒と言う言葉は、くすぐったくも思えて、頬が緩んでしまう。

「そんじゃ、帰るか!」
「なんだその顔は、気味が悪い」
「ひでぇ!」

それでも、安心感と思い出した笑いがこみ上げる。
とても幸せだ。
当たり前を笑える日々がもっと増えればいい。

ありがとう。

そう思い、三人はいつもの自宅へ帰る。

そして一ヶ月後。

エミル・ホークアイのジンは、ランカー時の功績を認められ、昇格すると共に、6thと言う新しい名前を得る。




END






1st:アークタイタニア・ガーディアンのホライゾン

2nd:エミル・アストラリストのセオ

3rd:DEM・リュスィオール

4th:エミル・イレイザーのリアス

5th:アークタイタニア・グラディエイターのカルネオル

6th:エミル・ガンナーのジン

7th:アークタイタニア・フォースマスターのぬえ

8th:エミル・グラディエイターのリヴェンツェル

9th:エミル・グラディエイターのヒカ

10th:エミル・カーディナルのコトラ

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本編 | 【2014-05-22(Thu) 12:06:00】 | Trackback(-) | Comments:(4)
コメント

HLお疲れ様した!改めて話数見ると凄いなーって思いますね!
今回のシリーズも楽しく読ませてもらいましたん。
やっぱ自分以外の方がうちのこ書いてくれるとニヤニヤしちゃいますねニヤニヤ。
次シーズンに期待しつつそわそわ全裸待機してますスポーン!
2014-05-22 木 12:16:10 | URL | せろ #7Vwe54W6 [ 編集]
最後まで見ていただけて本当にありがとうございました。
それも、ここまで見守っていただいた方々のおかげであり、応援してくださった皆様のおかげです。
3年という長い時間を書かせていただいた作品となりましたが、自分でもここまで続いたことに驚きがあったりとか……w
ここで一区切りを終えることができたため、次回はご挨拶もかねてあとがきを描きたいと思います。
ぜひJKの最終の生地をたのしんでくださいませw

ps、最近話してなくてさびしい
2014-05-23 金 03:52:30 | URL | 詠羅P #- [ 編集]

ふぉおお!
HLお疲れさまでした。
こんな長い話をよく書いた!
まさにこう集大成って感じで感動しました。
次シーズンに期待しつつ、自分も頑張りますね!
2014-05-26 月 18:07:49 | URL | 結城隆臣 #- [ 編集]
長い間応援をありがとうございました。
私の中ではとても長い二年間ではありましたが、皆様の支えのおかげでここまで書き上げることができました。
これからもたくさんのご迷惑をおかけすると思いますが、ぜひどうぞよろしくお願いいたします!
2014-05-28 水 14:40:21 | URL | 詠羅P #- [ 編集]
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