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カナトがプールで遊ぶ話
出演:カルネオルさん

ロケ地:カナトの自宅

あらすじ
夏の暑い日、カナトは涼を得たいと水浴びをしたいといいだした。
昼寝を邪魔され、いつものわがままをききいれたジンは、カナトのために子供用の小さなプールを用意する。


 「ジン、ジンっ!」
「ん〜?」
「暑い!」

昨晩の夜更かしの反動で、エミル・ガンナーのジンは、リビングで昼寝をしていた。
連日続く暑さに耐えられなくなったカナトとジンは、属性イリスカードを挿入する事で稼働する、冷房器具を購入し、夏を快適に過ごせるようになった。
しかし、相方のカナトは、夏でも涼しいこの自宅で暑いと言う。
意味が分からず、無視して昼寝を続行しようとしたが、まくら付近の床をばんばん叩かれ、沈みかけた意識が引き戻された。

「暑い!!」
「どこがだよ! 涼しいだろ!」
「違う。外だ」
「そりゃ、外は暑いけど、なんで?」
「外で涼くなりたいんだ」

意味が分からない。
外で涼しくなるとはどういうことだ。

「アイスでも食えよ」
「アイスでは涼くならない」
「じゃあ、どうやったら涼しくなるんだよ……」
「水浴びをする」
「水浴び?」
「天界では、水浴びをして涼しくなるらしい。私も水浴びを体験したい」
「それってプールみたいなもんか?」
「プール?」
「こんなビニールのデカイやつに、水貯めて遊ぶやつだよ」

首を傾げる。
しかし、水貯めると聞いて、少し表情が変わった。

「湖みたいなものか?」
「そんなでかくねぇけど、水は貯めてあるな」

ますます分からないらしい。
ジンは仕方なく、アクロポリスのカルネオル御用達のおもちゃ屋へ赴き、子供用の小さなプールキットを購入した。
ポンプ式の空気入れは、重労働だったが、なんとか膨らませて、庭へと設置する。

風呂場の窓からホースを伸ばし、膨らませたプールへ水を貯めていった。
カナトは終始その作業を眺め、目をキラキラさせている。

「よし、どうだ!?」
「貴様も、たまにはいい働きをする」
「たまにはってなんだよ……」

ともわれ、嬉しそうだ。
ジンはその後も、倉庫へ突っ込まれていたガーデンパラソルセットを広げて、プールを日陰にする。
カナトはカナトで、体に日焼け止めを塗り込み、トランクスで家をでてきた。

外の気温でプールの水も丁度いい温度だ。
最初は用心深かったが、水が冷たい事を感じると、カナトはゆっくりプールへと浸かる。
足を出して肩まで沈み、ご満悦のようだ。

「水浴び?」

ジンが聞くと、足を引っ込めて座り、羽をばしゃばしゃと洗う。
酷く飛び散るので驚いたが、見ていて面白い。

「ジン」
「ん?」
「頭から掛けてくれ」
「いいのか? ずぶ濡れになっぞ?」
「構わない」

そう言われ、ジンは、ホースの先をシャワー状に付け替え、カナトへ雨を降らした。
キラキラと輝く水滴は、沢山の光を反射し七色の虹をつくる。
その中でカナトは、お構い無しに羽を広げて根元まで濡らした。

「そんな濡れて大丈夫か? 飛べんの?」
「……乾くまで飛べない」
「は!? じゃあ、なんでーー」

はっとした。
飛べなくなるなら、帰れなくなってしまう。
エミル界では、古き民との契約があり海や湖では泳げない。
室内プールがあるが、外で飛べなくなるのは、タイタニアにとっては怖いことだろう。

そう思うと、以前ECOタウンで海に引っ張りこんだ時は悪い事をしたと思う。

水を浴びるカナトは、冷たさが心地いいのか、羽で浮いてみたりボールを浮き輪にして遊ぶ。
プールが小さいので、全身は入らないが、羽を洗うだけなら十分だろう。

普段手の届かない場所の汚れやゴミを、水に付けて浮かす。
もともと余り汚れない翼であるぶん、水洗いで充分らしい。
ジンはそれを見て、カナトの翼へピンポイントに水を掛ける。
カナトはそれを受け入れ、大きく翼を広げて応じた。

「こんにちはー!!」

高い声が、庭のエレベーター付近に響く、突然飛び出して来たのは、頭に王冠をのせるタイタニア。
アークタイタニア・グラディエイターのカルネオルだ。

「カルネ君じゃん」
「わぁ!! なにしてるんですか!? 楽しそう!! 水浴びですか?」

「え、えぇ、そうですが」
「僕も! 僕も!入りたいです混ぜてください!!」

止める間もなく脱衣をしたカルネオルは、下着一枚でプールへ飛び込む、
狭いプールに無理矢理押し込まれ、水飛沫やらカナトの悲鳴やらで偉く賑やかだ。

「このプール狭いです……」
「手軽なのこれしかなくて、カナトだけだと思ったしなぁ……」
「! いい事思いつきました!!」

突然、カルネオルがカナトの腕をつかむ。彼が取り出したのは青いカード。

「ち、ちびちび!?」
「小さくなーれ!!」

七色の光がプールへ発生。二人の身長が一瞬で60センチ程まで縮む。
途端、プールが深くなり、カナトが沈み出したのでジンがとっさに捕まえてやった。
カルネオルは慣れているのか、羽をうまく使ってきれいに泳いでいる。

「広くなりました!」
「た、確かに」

変わりに座れなくなった。
ジンは仕方なく、以前ECOタウンで購入した浮き輪とシャチフロートをちびちびで縮小させて、カナトとカルネオルに渡す。
泳げないカナトは、浮き輪に捕まり、カルネオルはシャチフロートで遊ぶ。
ジンはそんな二人へ頭から水を掛けて、炎天下のなか涼しい雨を降らしていた。

ちびちびの効果が切れて、ようやく水からでて来ると、二人はずぶ濡れ。
翼も根元まで濡れて水が滴っている。

ジンは、カナトにバスタオルを投げ渡し、カルネオルの翼の水分をとるのを手伝う。
カナトは自分でなんとかできると思ったのに、水浸しのまま部屋に戻ろうとするので、タオルを取り上げて、水分をとってから、二人を風呂場へ突っ込んだ。

背中に手が届きにくいタイタニアだ、一人洗うには限界があるのだろう。
夏の暑いこの時期なら、軽装で水に突っ込み、豪快に洗っても風邪はひかない。
涼しくなるし、一石二鳥だ。

ジンは、自宅の空調を除湿にして、カナトの部屋着とカルネオルの着替えを用意する。

いつものオフショルTシャツで出てきたカナトは、リビングにうつ伏せで寝転がると、羽を広げて自然乾燥にはいった。
カルネオルと並び、白羽と黒羽が並んで面白い。

「楽しかったぁ、綺麗になりましたぁ」
「それはよかった。またやりましょう」
「本当ですか!! やった!!」

「ずぶ濡れのまま歩き回るのは勘弁してくれな……」

聞こえた様子がないが、気にはしない。
石鹸の匂いがふんわりと漂いだし、室温もちょうど良くなってきたからか、二人はそのまま翼をしならせ、うつ伏せのまま眠ってしまった。

このままでは風邪を引いてしまうので、ジンは二人の下半身と羽の下にバスタオルをかけてやり、夕食の準備をする。

「たっだい――」

勢いよく扉が開いたが、入ってきた月光華は、リビングで眠るカナトをみて思わず口をふさぐ。
そのままこっそりと、足を忍ばせ、月光花はリビングのテーブルへ腰掛けた。

そこから、ふんわりとカレーの匂いがして来て、カルネオルがゆっくりと目を覚ます。
カナトはまだ寝ているが、用意されている夕食に、ぱぁっと笑顔を見せると、横で寝ているカナトを揺らした。


「メシ! 作ったぜ!!」
「カナトさん! カナトさん!」

のっそりと体を転がし、カナトの寝ぼけ眼が、カルネオルを見る。
再び目をつむってしまったので、カルネオルがカナトの額を軽く叩いた。

「いたい……」
「カナトさん! おきて、おきてください!」

重そうに体を起こしたカナトは、一度翼を広げ、ゆらゆらと揺らす、乾かしているようにも見えたが、小さく羽ばたきカナトの体が浮いた。

「乾きましたね! カナトさん」

まだ眠いのか、小さくうなづくカルネオルも一緒に飛び立って、天井付近を二人でふわふわしていた。

「たべないの!? 二人とも!!」
「いります! いります!」

そこから夕食を食べる四人だが、もともと船を漕いでいたカナトに限界がきたらしく、頭を伏せて寝てしまった。
仕方ないと思いつつ、無理矢理ベッドへ連れていくと、突然服を掴まれ、止められた。

「どした?」
「……夢を、見た」
「夢?」
「お前が、ジンが何処か、遠くに消える夢……」
「俺が? 別に出ていけとも、言われない限り、何処にもいかねーよ?」
「言わない」
「なら、当分まだ居候してるぜ」
「……なら、いい」

よくは分からない。
しかし、カナトがこうして弱気になるのはよくある。
一度攫われた経験からか、その傾向は顕著になり、自分の姿が見えなくなると何かと連絡をとろうと必死になる。
こちらは心配をしているので、迷惑ではないが、精神的な情緒が不安定である彼に対して、どう接していいかがわからない。
そういう性質なのだろうと理解してはいるが、種族間の寿命の差が脳裏に過りとても辛くて、悲しくなる。

「ジンー? アイス食べちゃうよ!」
「食うって、のけもんにすんなよ!」

考えても仕方ない事だ。
いずれその現実が訪れるまで、今は保留にしておこう、ジンは心に思う。


END


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本編 | 【2013-09-26(Thu) 12:00:00】 | Trackback(-) | Comments:(0)
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